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2009年03月24日

090321 千葉漢方連続講座

090321 千葉漢方連続講座

●漢方を活用するのが日本版家庭医である
 慶応義塾大学漢方医学センター 准教授 渡辺賢治先生

世界はICD-11(2015改定)
それに向けて、代替医療の情報化が進んでいる
(「日本はガラパゴス」)

WHO ヨーロッパのみが世界
 アジアとアフリカは無視されている
→東アジア伝統医学はアジアが自己主張!
 (他、アーユルヴェーダ・ホメオパチーが入った)

NIH、FDAはwhole medical systemsとしている
日本だけが、漢方は低いものを見ている


コード化を通じて、すりあわせを5年くらいやってきた
「証」がわかりにくくて、ふつうのひとは引いちゃう

中国の証は、1625
韓国の証は、2300
…再現性はまったくない

系が複雑であるほど、情報化社会は負けるに決まっている

日本の漢方専門医は1500人程度
一般医師はシンプルに!
日本は40程度の証

日本からのシンプルな提案
・虚実
・寒熱
・六病位(急性疾患なら)
・気血水
・腹診

…陰陽は、ハチコウベンショウからは上下がある

(質問)舌は? 脈は?

今、家庭医療で議論
毎日漢方を勉強しても勉強してもしょうがない
週に一回、漢方の先生のところにいって学んで、実地で使う。3ヶ月程度

慶応には海外からしょっちゅう学生がきている
1ヶ月あれば言葉の壁を越えても理解できる

Common diseaseで漢方がfirst choiceはけっこうある

日本の社会はどうやって情報化を生き残るか


25日夜21時
土屋班のまとめ
家庭医総合医は3〜5割

漢方の壁
・個別化
・訴えを重んじる
  数字だけでは無理。訴えでジャッジする
  西洋医学も、測れる血圧などはevidenceあるけれど、そうでないものは…
  患者中心医療
 →タッチパネルで解析


なぜ情報化できなかったか
昔はひとつのスパコンが必要だったが、今は分散できるようになった


●漢方医学を知り、地域医療を経験した者からの提言
 千葉大学 並木隆雄先生

「住民の望む医療」「医者が考える医療」のずれ

西洋医学 ばらばらにしていくので全体が見えにくくなる
漢方医学 まとめていこうするので対立が見えにくくなる

→ 西洋の総合診療科 …診断科になっているところもある
  漢方での救急・急性期が苦手

欧米と日本の漢方の違い
<<保険医療>>
米「普通の医学部で教えない、普通の病院では扱わない…」

・地域住民の願い
専門だけでなく全般をみれる医師
 〜癌を見落としてほしくない
体の相談にのってくれる先生
 〜家族背景を推察でき食事療法にも精通している
・簡単な病気なら、専門外でもファーストエイドができる
・(当然)西洋医学ができる先生

…自分たちで使い分けている

健康 サプリメント
未病 漢方薬、一部製要約
病気 西洋薬 漢方薬


日本漢方は民族差を考慮している
 例 リウマチもパターンが違う
   日本人は水毒が強い
来日直後の中国人には効かないことがある

・アドヒアランス
粉薬は入れ歯のひとには好まれない

●WS 総合医家庭医の漢方到達目標

「逃げない漢方」

急性期は脈を診る


・上部消化管症状
PPI
大腸炎が5%ある!

pHモニターなどしていない。除外診断

家庭医 …検査ができないときにぽっとうかぶ3つ

サンオウシャシントウ

便秘
ダイオウを使うのがFirst choise
 使わないのは専門医レベル

実 シャす ダイオウを使う
虚 長の動きをよくしてあげる
 そこに寒熱を考える

大建中湯 を要求するか?


日本の患者
便秘 →売薬で管理している
下痢 →医者にかかる

ダイオウで腹痛や、下痢がでるひとを、ダイオウ出す前に決める

大建中湯は時間がかかる 機能改善剤
〜効いた感触が少ない
押してだめなら…と大建中湯を出すのはいい
 腹部膨満があるなら、機能改善だから…と使える


メモ 上野勝則心臓病診療アップデイト

●メモ 上野勝則心臓病診療アップデイト

●心筋梗塞は病歴で診断する
確定診断に、ECGもCKも不要
ST変わっていないからといってMI否定できない

●女性の心筋梗塞の症状
・前駆症状
普段と違う倦怠感、睡眠障害、息切れ、消化不良、不安
胸部症状は、28.7%のみ

・急性心筋梗塞時
息切れ、衰弱、普段と違う倦怠感、冷汗、めまい
胸部症状は、57%のみ

Circulation 108: 2619-2623, 2003

74歳とかでも!

●狭心症の胸痛は2〜10分
秒単位 or 時間単位であれば否定的
ニトロで速やかに回復

●心疾患随伴症状で 嘔気 を忘れない

●心外膜炎
臥位でしばしば増強する
僧帽筋への放散あれば可能性高い

●大動脈乖離
外傷性、高血圧、E-D syndrome, Mrfan syn
女性は妊娠中か出産前後に1/4発症
10%は胸痛ない
脳血管障害で運ばれてくることあり

●GERDの痛み
狭心症との判別難しいことあり
アルコール、アスピリン、食事で誘発
仰向けで増悪、明け方出現しやすい

●食道痙攣
ニトロで改善することあり、鑑別難しい

●過呼吸
しばしばST changeあり

●右肩への放散痛が、MIでもっともオッズ比高い

●動悸をタップで再現させると、かなり正確!

●静脈圧は、45度でみなくてよい。座位で、鎖骨上に静脈の拍動が見えるか

●新規のLBBBは即座に再還流

・トロポニンの結果は待つな
・心筋マーカー(CK-MB、トロポニン)の検査は1項目に絞れ

・左室圧充満してきても、肺うっ血出てくるまで12時間かかる

・MI初期診療
アスピリン160〜320mg(バイアスピリンは不可)
モルヒネ 4〜8mg 5〜15分ごとに痛み取れるまで。Max 3mg/kg(50kgで150mg)
呼吸抑制にはナロキサン
嘔気にはフェノチアジン

・ニトロ禁忌は
下壁梗塞、右室梗塞、SBP<90

・ヘパリン 初期量 60 U/kg(Max 4000 U)
維持量 12 U/kg/hr
再還流受けるなら、48時間まで(それ以上は出血のリスク高い)

・Clopidogrel 予後良好!
βブロッカーは禁忌でなければ24時間以内に必ず投与
ACE-I 禁忌でなければ必ず投与
ニトロ 狭心症や左心不全あれば
Ca blocker 投与すると死亡率悪化

・LVEF<40 なら必ずACE-I

・心不全が、入院後の予後不良の大半。聴診を

・Mgは2.0mmol/L以上に

●MI慢性期の治療
ACE-I、βブロッカー、アスピリン、スタチン

・胸部X線
右上部1/4は見えないはず

●右室梗塞
・ST上昇 U<V
・V4RのST上昇
→ 前負荷維持、右室後負荷を軽減、
→ 心房寝室 dual pacing、ドブタミン、再還流療法

・AVNRT AV nodal reentrant tachycardia
Aの興奮はVの興奮と同時におこるか、やや遅れる

・AVRT 
wide QRS
ワソラン禁忌!

・頚動脈洞マッサージ
AVNRT、AVRTは運がよければ停止する
AFL(flutter)、AT(Atrial tachycardia)は心房波がきれいに見える(AV block)
flutterだったら、Na channel brokerを先に入れると、1:1に! 先にβブロッカーかワソランでレートコントロールを

・VT
ショックなら電気的除細動
アミサリン
タイプわからなければワソラン禁忌

・Brugada
V2チェック

・Short QT syn
QT < 330
T高い(high Kと間違えやすい)

・失神
脳幹部の虚血でおこりうる、が、必ずほかの症状ある
失神のみで頭部CTは、まったくの無駄

・心房細動 急性期頻拍
インデラール 10mg(2A)を、1mg/1minで
または ワソラン1Aを点滴全開で

・レートコントロールは、βブロッカーまたはCa blocker

2009年03月20日

医学メモ 090320

・小児科説明
危ないのは
「ぐったりして意識がおかしい」
「頭痛が激しい」
「吐いたり、痙攣をおこしたりする」

具体的には、髄膜炎や脳炎(意識がおかしい)、肺炎や喘息様気管支炎やのどの腫れ(呼吸困難やチアノーゼ)、下痢や嘔吐による脱水

⇒様子をまずは見る
ポイント1 まめに着替えさせる
ポイント2 水分補給
 ORSで(水1リットル + 砂糖大さじ4 + 塩小さじ半分)

少し涼しくすれば、熱は下がることが多い。寒くて震えないようにする
熱の上がり際で寒くて震えていたり青ざめているなら温めてあげる

大丈夫なのは
「ちょっとした鼻水とせきぐらいで、熱以外にあまり症状がない」
「熱が多少下がったときは、元気に遊んでいる」
「食事や水分が十分にとれている」

・脂漏欠乏性皮膚炎
ヒルドイド + リメックスコーワ

・左後頭葉の脳梗塞→認知能の低下

・花粉症がある場合には、小青竜湯、苓甘姜味辛夏仁湯、大青竜湯などをベースにする。
顔面の掻痒感・発赤がある場合には、温清飲、黄連解毒湯、消風散を組み合わせて対処。

・大青竜湯(麻杏甘石湯7.5g 合 桂枝湯7.5g)

2009年03月19日

090228 諏訪HIV

090228 諏訪HIV

●診断遅延例は少し減らせる


・山元先生
ダルナビル
 1日1回になる 下痢少ない

急性期症状 で見つかる人が増えた。総合診療科があるから
 髄膜炎、重症咽頭炎、高熱、IM など
   ...インフルエンザみたいなかんじでくる
      「何度も繰り返す」に引っかかる

アメーバ、HBV、梅毒の波と、AIDSの波は交互に来るのかもしれない

HBVはHIV先行疾患として重要!
 genotype A は 1割慢性化する
〜東京は7割以上


最近のひとは舌を掃除するから、上口蓋をみないとわからない

東京医大 帯状疱疹の10%はHIV
 反復は5%未満
  梅毒の2/3はHIV


医者になることは 世界は変わる
現状を変革する
 Jonathan Mann


岐阜 エイズがでないのは?? →4点
・そもそも検査をしない。地元には知り合いばかり。名古屋にいったり...
・ブラジル人は陽性率低い
・ゲイコミュニティが少ない

●各医師の個人のスキルをあげる
…限度があるのでは? なんとか早く見つける試みは?

「わかるんだけれど、できない!!」

【体重減少】
癌、HIV、TB


【咽頭炎症候群】
 表をつくる

  STD がらみで軸を作るといい
  ヘルペス、2期梅毒、HIV

「わかんないな〜 と思ったら、梅毒、結核、HIV」

「しばらく検査していると出ないのでやめました」という先生多い

アオキのHIV最高齢 80歳

ヘモファゴ
 〜HARRTしてから始まることがある


HIV、腫瘍があると、
普段以上に攻撃的にやる!
 最初に腰がひけてると、あとばぐじゃぐじゃに


比較的徐脈で
肝炎
→サルモネラ

「39度で脈100」「1度で脈10」
たいてい結核
マイコ、マラリア など細胞内寄生
薬剤、腫瘍
クッシングがおきているときも…


AST、ALT、LDHの値はどうでもいい
 調子が悪いな〜〜という程度
ALPは役に立つか? 腹腔内リンパ節が腫脹し閉塞も起こしうる


早くにルンバール
 喘息の既往あるから、Sinusの心配をさせる
 → セミルーチンに、黄ブ菌がはいってセプシスおきてないか
   Sinusの評価を

リスクのない若い人tの脳梗塞
 HIV proteinC S がへっていてもいい
  心内膜炎を考えないと
 頭蓋底の炎症起こすものは全部考えろ

ほか、 血管炎、心臓シャント


HIVのひとは、元気なときにルンバールしても異常ある


受診の多い上気道炎は、怪しい

血管内リンパ腫
 それで脳梗塞がおきて、なくなっていくひともいる…

「責任感」「粘りづよさ」「愚直さ」

エイズ対策でうまくいったことは少ない
旭中央病院
 入院時一律検査 HIV
キャンペーンよりそっちのが意味あるか?

欧米の専門家は、
明らかな急性感染であれば、臓器障害(髄膜炎)あればHAART
HIV、研修医たちがQQで見つけている


中枢神経症状は、最近増えている
 都内ではだいぶ知っている
わずか2週間で脳炎起こしてしまうので、HAARTも届かず認知症が進むかもしれない


コスト
 医師にはお金がはいるが患者は…

ルーチンの拾い方は大切だが、
 積極的にひろっていくことも必要

●反省
前提 が重要。引き込め
かまない
所見、書いている以上のことを言え
  PPTに振り回されないように、練習になじめ

090214 腸管免疫

090214 腸管免疫

●腸内フローラと生体免疫 東大 伊藤喜久治

ねずみの実験

腸内フローラは、実母ではなく里親に似る

アレルギー → 乳酸菌が少なく、多様性が少ない

IN-10ノックアウトで潰瘍性大腸炎

バクテロイデスの多様性
 …多様性のkeyとなる株がいるが、それもほかの株があってこそ定着できる
バクテロイデス多様性あると、胆汁酸DCAも多様化する

腸内細菌の酵素によって、毒素が分解されうる

…腸内細菌の代謝はパチンコみたいなもの。めちゃくちゃに動くが、うまくいけばいいところに入る

ヨーロッパでは155億円かけて、腸、膣、口、鼻、皮膚の常在菌を調べている
→食品

中国 → 漢方薬を理解するために調べている

「何が、どうして、を理解してScienceとして腸内フローラを理解するべき」

・死菌 サブスタンス でもいいというデータもある。が、定着せず流れてしまう

・無菌マウスに特定の腸内常在菌を定着させると、免疫応答が変わる。で、定着する場、の違いで機能が違うことは起こるのか?

・抗生物質で腸内細菌めためたになる、が、ある程度の期間がたつと元に戻る
→完全に消えない。かなりしつこく残っている、はず。そうでないと説明できない。ハンパじゃない抗生物質で完全に消すことはできるが、周りに動物がいるとすぐもどってくる

・ゴードン先生たちのobesity
「バクテロイデスでやせる(poorでも生きる、有機酸にもってくのが少ない、糞便のエネルギーが多い)」「カンピュテスでふとる(多彩、糞便のエネルギーが少ない、吸収している)」という説
…実際やってみると、違う気がするけれど…
誰も追試していないから

・日本の腸内細菌の戦略は?
省庁の縦割りが邪魔
医療なのか食品なのか決まらず、それぞれ興味は持つが、動けない
…アメリカ・ヨーロッパは、ゲノムという新しい切り口でまとまった
ゲノムのひとたちは力技で調べちゃう

ヒューマンゲノムが終わってからターゲットがない…


Germ freeは運動が悪くなり、ものがたまる


●粘膜機能と腸内フローラ 松本 敏 ヤクルト中央研究所

腸内細菌定着により、小腸粘膜上皮細胞が成熟する
 粘膜免疫が成熟する IF-γが働く
 破綻すると、病気になるだろう

そのひとつの破綻が、IBDだろう inflammatory bowel disease

「粘膜接着性細菌」
Proteobacteriaが、腸内細菌層での割合よりも多い
Bacteroidesもちょっと多い

炎症・癌ではそういった粘膜細菌層が消失する
実際、粘膜層の細菌と腸内細菌の割合の差が消失する
 足場がなくなる mucin

IL-6
T・B・マクロファージの分化産生に重要
Crohnマウス 粘膜のIL-6が非常に強い

TNFα converting enzyme(TACE)が粘膜のIL-6を切り出し、sIL-6Raが出る→炎症
マクロファージにIR-6Rがある

・TACEと癌の関係は?
昔の報告では、変わってなかった

・粘膜接着性細菌
IBDモデルは回腸と大腸を見ている
パネトはマウスは人と違い活性化しない

・ただ、臨床的には大腸炎癌はなかなか少ない
日本は特にCAC少ない

●消化管運動と腸内フローラ 東大 堀 正敏

正常な腸内フローラには
正常な腸内フローラ構成が重要だろう

無菌動物の腸管内容物輸送速度は正常動物と比較して遅い

消化管運動は壁内神経叢が司る

今日の話
1)腸内フローラは生理的な消化管運動制御に関与するか?

研究 閉鎖系で 筋収縮の大きさ(収縮機能)、回数(神経の機能)、全移動量 を評価
GFとコンベンショナルの比較

生理学的なパラメーターは??
 電解質やコリンなどみてみると、平滑筋収縮力んいは差はない

→ 無菌マウスでも蠕動運動は保たれている

…in vivoでの科学的な差が関与している?


2)Germ freeマウスでは、自然免疫応答機構を解した制御はどう変わる?

LPSなどでマクロファージが活性化
蠕動回数もLPSで減少する

TLR4 コンベンショナルはLPSで刺激すると上昇する
   GFではそういったものは起こらない
 …長期の無菌状態は、TLRの機能に異常が生じてそう

さらに下流の平滑筋細胞は、NOが関係(収縮を抑える)
…GFは、NOの感受性が落ちていた

3)構成する腸内フローラの変化は消化管運動にどのような影響を与える?
   先天性イレウスモデル EDNRB
    Hirchsprung病

実際、壁内神経叢を見てみると、発達が悪い

→腸内フローラを解析してみた
普段は大腸に生息しているものが回腸にいた …大腸化

粘膜炎症が強く、バリアが破壊してそう
→血中LPSをはかってみたら高かった
染めてみると、マクロファージが小腸以下では粘膜に進入、十二指腸以上ではなかった

…運動の破壊で腸内細菌乱れ、筋にマクロファージ進入、炎症

・筋層間のマクロファージの役割は?
…はっきりとはわかっていない
生理的にはscilent

・善玉菌が産生する乳酸や酢酸がかかわるという仮説がある


●IBSと腸内フローラ 東北大学 福土 審

脳機能と腸管運動の関係を調べてきた
Stressorと腸の悪循環
…最初にHitするのがどこか、わかっていない?
 外部環境・内部環境 の研究がなされないといけない

「Post infectious IBS」
…Acute enterocolitisのひとが優位に多い

Prospective
スペインのサルモネラ罹患者はIBS罹患者が非常に多かった
…腸内細菌が関与している?

IBSのひとは
微小炎症がIBDにつながる?

IBSは、フラジリン抗体要請率が高い (ルミナルバクテリア)
  クローン > IBS > UC

IBSは健常に比べてマストセル、神経が多い
→健常者にはおきない 知覚過敏がありそう

IBS 10日間の完全絶食をすると、粘膜の改善が得られる Fasting Therapy


抗生剤で有害菌をたたけば…
プロバイオティクスでの治療
 Studyでてきている

Bifidobacterium

IBSは便に有機酸が多かった

Luminal environment

●漢方薬はなぜ効くのか 田代眞一 昭和薬科大
配糖体は腸内菌の助けを要するプロドラッグ

10年前に富山で調べ始めた
腸内細菌叢と漢方の関係、薬物代謝を兄弟子が調べ始めた

京都大学
漢方が保険に収載された1年後
富山大学卒だからって漢方に関する質問が山ほどきた…

そのとき、構成生薬の、既知の成分の、既知の薬効の中から、
都合のいいストーリーを組み立てて説明していた

ジレンマ
・丸ごとでどうだ?
・消化管でどうだ? 経口
・なんで個体差? 証

…もともと飲んだものがそのまま届いているとは思えないが、何かが血中に届いているはず

…当日は、ポカリ、カロリーメイトを3日間飲んで、400ml血をとって、1ヶ月飲んで、最後に同じことをして、差があるかどうかみた

…やってみると、2時間後に初めて血中濃度があがってきた… 西洋薬と比べて遅い
…もともとの漢方の成分はほとんど血中に入っていなかった

生薬の成分は、「配糖体」が非常に多い

天然物が効く理由
大事な系であるほど動物も植物も同じものを使う

「天然物は毒にも薬にもならない」?
→生理活性成分の宝庫

有効成分に糖をくっつけると水に溶けやすい

…ジギトキシンなんかは配糖体でも水に溶けにくい
 が、消化管運動を抑制すると吸収がよくなりすぎる
 裏返すと普段あまり吸収されていない

グリチルリチン
同じ成分が経口でも売られているが、吸収できない
が、それを糖を切る菌がいるから、吸収できる人がいる

例: 8時間たったら、5人中2人血中濃度あがってきた

なんで???
菌は盲腸以降で急増する

バクテロイデス、回腸では10^3、盲腸では10^8

少ない菌数で活発に流れているのが小腸
大量の水分、貯留と攪拌されている盲腸以降

そこまで8時間かかる…


漢方の直腸内投与
・小児のゴレイサン
・つわり ハンゲ

このときの導体をしらべてみた
グリチルリチンの座薬
糖がついたままはいった!!!

それが、胆汁に排泄されて、菌の代謝を受けて問うがとれて再吸収される

…直腸粘膜は配糖体を通す 粘膜がスカスカ

直腸への投与
吸収の個人差を乗り越えられる
即効性が発揮される
 例: 胆石発作に芍薬甘草湯 ブスコパンより効く
妊婦への投与は慎重でありたい


とにかく
経口投与では糖がとれないと吸収されない配糖体がほとんど
 脂溶性になってから吸収される

「資化菌」がいて初めて効果がある

めったに入ってこない漢方の配糖体を分離できる菌は、マイナーだろう
→それが有効性の個人差になるか

「証」と考えてきたものが腸内フローラとしてでてきているかもしれない

センノシド
ビフィズス菌に切られてはじめて効く

→センノシド代謝能の調査
糞便中の代謝能測定

例: ひどいのは、代謝が促進していた
  まったく代謝されていないのがいた

が、もっとも活性が強い人間がびくともしていなかった
…便秘で普段からセンノシドを利用していた

センノシドは使っているうちに感受性が落ちてくる

女性の便秘は黄体期に起こる
 定期的な月経がおこるようになってから便秘が進行する
→薬学部には便秘のベテランがいる

…市販のビフィズス菌で配糖体分解できれば!

大黄もビフィズス菌も
…そこにはオリゴ糖が投与されていた 定着させるために
 おいしいものがはいっているから、投与できなかった

が、それをやめたら一気に下痢がでた。オリゴ糖がなくなってから元気に分解されてしまった

→オリゴ糖含まないビフィズス菌を作って切れた

ちなみに、
センノシド → セニジン → レインアンスロン
となる レインアンスロンは脂溶性なので乳児に届いちゃう →下痢に

「資化菌」が糖を切り、利用する菌がいないと…

…じゃ、菌を増やせば効くだろう

鎮痛の芍薬甘草湯 を月経痛に
…半分しか効かなかった

きっと、菌数が少なくて、吸収が悪いのだろう
→月経予定1週間前から飲ませた

麻薬性の鎮痛剤を使っていた子が、
頓用では効かなかったが、
事前投与でなおった

おなかの菌をばら撒いてからのほうがいい

抗菌剤で菌を抑えるとうまくいかない
例: 風邪

新薬はぐずぐずする
抗生剤はいっていると、漢方薬効かない

抗生剤はスペクトラムが狭いほうがいい


で、漢方薬は 腸内細菌のバランスを崩しうる
軟便化することがある
マルチトール 消化されないから吸収されない
そのままいって浸透圧下げて便柔らかくする
が、一部の高齢者では菌層が変化して腹痛がでたりする

…もしかすると、漢方で育った菌が産生するものが効果あるかもしれない


口の中の細菌、
消化管への直接作用
なども興味ある


●粘膜免疫調整剤としての補剤の役割 清原寛章 北里大学

生体を調整することで腸内フローラ変わる可能性あり
腸内フローラかえることで生体調整できる可能性あり

パイエル板に漢方薬は直接効くのか?

・十全タイホトウ
皮膚のびらんをなおす力が強い

・補中益気湯
特異的なIgG・IgAを誘導する力が強い
 マウスを使った実験で

パイエル板に活性成分はいり、CD62L陽性Bリンパ球あがり
CCR6陽性リンパ球誘導
→抹消へのリンパ球の誘導があがる
→抗原特異的な抗体の粘膜誘導アップ

補中益気湯で
MTXでの腸管上皮細胞のダメージを回復させた実験
 特にモルモットで見えやすい
 マウスで実験してみた
つまり、上皮細胞にも作用している

2009年03月15日

腎虚と考えられる症状あり漢方治療にて軽快した2症例

腎虚と考えられる症状あり漢方治療にて軽快した2症例

 手術や仕事といったストレスは、全身衰弱、抑うつ、思考力低下、めまいといったさまざまな症状の誘引となる。従来の治療方法では、休息と、多くの場合不十分な対症療法のほかには治療方法はない。対して漢方治療は消耗を補う治療を得意としている。今回、ストレスからの症状に対し、腎虚進行と判断し漢方治療を行ったところ奏功した2例を報告する。
 症例1は80代男性。胃癌に対するESD術後2ヵ月間継続する認知力低下を主訴に来院。HDS-R 21/30(短期記憶低下)。以前から冷え性と夜間頻尿、難聴、腰痛あり。腎陽虚と判断し八味地黄丸(TJ-7)5.0g分2処方。1ヶ月で全身倦怠感軽減、2ヶ月で認知能力回復した。
 症例2は50代男性。10年前より難聴傾向あり。近年仕事が忙しく、ストレスも多く消耗していた。スポーツを趣味としており活動的で冷えはない。腎陰虚と判断し六味丸(TJ-87)2.5g分1内服開始。2週間後、全身倦怠感軽減。3週間後、頭髪のはりを自覚。希望あり以後内服継続している。
 東洋医学的に腎は先天の気を貯蔵しており、骨、耳、髪、思考力等の機能を司る。腎は加齢とともに消耗し、それらの臓器の機能も加齢とともに低下する。六味丸、八味地黄丸、牛車腎気丸等の補腎の漢方薬はそれらの機能を回復させる。今回の2症例はともに加齢による腎虚をストレスが促進させ出現した症状であったため、腎機能を補う治療により症状が改善した。これらの症例のように、仕事や手術といったストレスを誘引とした中高年男性の不定愁訴は頻度も高く、治療薬としての補腎の漢方薬の適応は従来考えられているものより広い可能性がある。

090314 漢方脳神経研究会 頭痛とめまい

090314 漢方脳神経研究会 頭痛とめまい

気血水
⇒この順に上位下位

「頭痛」とまっている状態
 気鬱  気逆(めまい)
   →長く続くと気虚 (はんげびゃくじゅつてんまとう 37)
   →さらに続くと気血両虚
 オ血
  微小循環の血行が悪い状態
  「脳血管障害の後遺症」などはこれで
 水滞  〜血虚が続くと浮腫が出る
  神経根 レベルだと頭痛、めまい
   メニエルなど
  〜めまいで一番気にすべき! 五苓散 が代表
   当帰芍薬散は

タクシャ 回るめまいにはこれがはいっていないときかない!

例: 39 リョウケイジュツカントウ
 タクシャがはいっていない
ブクリョウ、ソウジュツ すいたい
カンゾウ 気逆に
ケイヒ 陽気をめぐらせ鼓舞する

タクシャトウという 典型的なものあり
 保険薬ではないけれど…

腎虚でも当然めまいあり
 激しくはない。めまい感「なんとなくふらっとする」

腎 人間の要となる 「肝腎要」
 バッテリーのようなもの
 腎陽虚 バッテリーの電圧下がる →コンピューター制御なくなり失調

陽虚 …陽気が虚している
陰虚 …陰液が虚している
〜八味地黄丸 陰かつ虚

六味丸は、陰が虚している陽はあくまでも保たれている
 〜八味地黄丸の引き算でできた。もともと子供用の薬
八味地黄丸は、陽まで虚している

寒いときは八味地黄丸、あついときは邪魔なケイヒブシをのけてしまう必要あるひともいる


耳鳴り

〜江戸時代には、「はめまら」と八味地黄丸の適応だった
老眼がはいってきたときに問診項目にあっていい

腎虚 老化でなくても起こる
子どもでも、この10年目立つ
 臍下不仁が目立つことある
でも、陽まで虚しているひとまでいたりする…
 じっとしているから、元気がなくなる
…補中益気湯、よりも八味地黄丸が適応のひともいる

腎のバックアップなくなると、肝が浮いてくる
→抑肝散で押さえ込む
が、本治として腎を補うのも手段


オ血

●桂枝茯苓丸

ブクリョウ 利水 「安神(心)」〜精神安定剤
   どぎまぎする、動悸がする、ときにいい
ケイヒ
シャクヤク 〜オ血の薬としては強くはない
トウニン、ボタンピ  オ血に強い生薬(虚証には使いにくい)

生薬をみると、その処方の応用が見える
 ポイントはみておくべき


首こりがあって後頭部にのぼってくるときにいい

月経困難症にもいい
生理前後の頭痛

シャクヤクは、時間差が必要なこともある
 〜腸内細菌によって食べてもらう部分をたべられないと…
  聞かない症例は、たいていこの細菌の問題
→小建中湯などあめはいっているのいれると、だんだん効いてくる
〜次のラウンドからきくこともあり


●24 かみしょうようさん

緊張性の軽い頭痛

シャクヤクを多く含む


「加味」
◆他例 カミキヒトウ
 気虚につかう
「サイコ サンシシ」 肝陽気が高ぶった状態に使う、陰液が虚している
     【イライラ、緊張】

ニンジンが気を補う
シクンシトウがベース

→かみしょうさんは
当帰芍薬散への橋渡し

ポイントは、【肝】
 〜「緊張」性頭痛


●当帰芍薬散
おけつ、というより血虚


●柴胡桂枝湯
オウゴンがでてくる(黄色)
サンシシも黄色
〜キョウキョウクマン があるときに…

肝の陽気が高ぶっているとき
ストレス
 通常は虚す前に高ぶる 〜イライラする 怒りっぽくなる 目に表れる
  →目の奥がいたむ頭痛 → 柴胡剤がいい
緊張性頭痛
 首こり、だけでなく、背筋に沿って縦にはる
 そうなると柴胡剤を使いたくなる

(適応に頭痛はないけれど)

ケイヒがはいっている薬は頭痛に使いやすい
めまいの根本治療として使うといい
 繰り返させないのが重要

…なかなかよくならないときは、オケツを払う薬も必要
 難治例では考える


●12 柴胡加竜骨牡蛎湯
頭痛にはよく使う
心身症によく使う
「心悸亢進」 〜身体症状に表れた不安

サイコが緊張和らげる
ニンジン 気虚を補う、シャザイとして虚させすぎない

⇒タイソウ 精神安定作用あり
 72 カンバクタイソウ 子どもの夜鳴きによく使う、抑肝散と似た感じ
   タイソウ、カンゾウ、ショウバク

ツムラだけ、大黄がはいっていない。ほかは全部入っている
 〜実証が強くなくても使える


●11 柴胡桂枝乾姜湯
もっと虚した場合に。

カンキョウ 陽気を補う。ブシほどは強力でないが、熱薬

竜骨なくなりボレイだけ …気逆は強くない

緊張して 口乾 くちがちょっと乾く 唾液が出ない
 (「口渇」はがぶがぶ飲みたい はこれではない)

神経過敏な人 昔はすくなかったが、こんな人多い
最初は12番、だんだん11、気虚が進んでそのうち心療内科に行く
⇒この状態で抗欝薬つかうと、鞭打ってから元気に。陽気がめぐりすぎる。
  ⇒SSRIを乱用すると、「飛び込む」
 まず気を補わないと!

補剤でもシャザイでもあるのは、和剤
 アメムチまざってるから切れ味悪い 長く使わないといけない
自律神経系は、2〜4週はかかる
⇒間違いないと思ったら、4週間分ださないといけない

「VAS」が評価に重要
頭重感を記録しておく
 それを見せてもよくなったといわないひといる「よくなりたくない人」
   …逃げ込みたい人 「そうですねえ、考えて見ます」
      とちょっとかえたり、かえなかったり、も手
下手すると別の症状出てくるひとも
 そういったときは、カミショウヨウサンが聞く
  ころんころん変わるのは特徴
  症状が「しょうよう」ころころ変わっちゃう

ころころ変わらない人は、
●67 ニョシンサン あんまり使わないけれど…
カミショウヨウサンがこびりついて、執拗。訴えを繰り返す。いつまでたってもよくならない。コピー&ペーストに近い
 …そのうちよくなるかもしれない。しつこいからよくなるわけがない
  取り合ってもらえないようなひと

気剤
オウゴン、オウレン 「心」 不安、あせり 〜虚証にはあまり使わない
 〜間質性肺炎、アレルギー性肝障害を起こすので要注意
センキュウ 気のめぐり
ニンジン ある程度補う
ケイヒ 頭痛肩こりめまいに効く
チョウジ インドネシアのタバコのにおい 気を晴れやかにする、が、嫌いな人もいる 利水剤(水はけをよくしないと、最後に気が晴れない)

◆水はもっとも動く。
→気に手を出しにくかったら、利水してから血をめぐらせ気を補うのも手

「のぼせて赤ら顔」

  ●2 葛根湯カセンキュウシンイ
   頭の気が晴れない、重いときには使う

◆めまい感
 回転性でなければ頭痛と一緒くたでいい

◆頭痛、肩こり、めまい はだいたい一緒にでるが、どこを狙うかが大切

●リョウケイジュツカントウ


漢方、日本人は量少なくても効くみたい
しゃざいは多くないと効かないけれど、補剤は少なくても効く
量 日本人は150cm、30kg未満で計算している
でかいひとには効かないことある
高齢者で代謝が悪くなってくると、たとえば附子を使いすぎるとオーバーヒートありうる


ラクナ
桂枝茯苓丸でどうにも悪いとき、
●105通導散
微小循環の改善には非常にいい
血流が落ちてればいい、MRAで狭窄があってもいい
本人は便秘といわなくても、S状部に残便あったら、使ったほうがいい
ダイオウ、ボウショウ 下剤 量はたいしたことないけれど
 → 1回はこれで、残りは桂枝茯苓丸、も手

ボタンピ オケツにつかうがこれより強い
「コウカ」が入っている


駆オ血剤の強さ
・ボタンピ 活血
・紅花   破血 〜打ち身がなかなか治らないときにいい

…サフランは非常に高いので、コウカを使うもいい
 が、コウカはなかなかいやなにおい

脳血管障害あり認知症にいきそうで、体力ありそうなら、これを

便秘があるため、オケツだけでなく便でも左下腹部に圧痛でる

ダイオウ は、気逆あるときに必ず出てくる。オケツも。

●とうかくじょうきとう 61
はもっとシンプル

赤ら顔があるとき

トウニン 
ボタンピ
ほかは大黄甘草湯 (ダイオウ、カンゾウ、ボウショウ)

ボウショウはいっている例 ●防風通聖散
 オウゴンがはいっているので肝炎も間質性肺炎も起こす
 緩やかに便をだしてやせさせる
   →食べ物のアレルギーあるひとは、オウゴンは避けるべき


◆冷えの有無
程度を考えないといけない


●31 ゴシュユトウ
 にんじんとうバリエーション

・冷えはどこか? ⇒「腹」
脾虚

にんじんとうのような体で頭痛あるならいい

とてもまずい… はじめにいっておかないとまず飲んでくれない
発作性頭痛でつかう
吐き気あると使えない
偏頭痛は予兆の段階で飲ませないと、飲めない

腹が冷えるとでる頭痛に
 冷たいものはたべさせない ひえさせない

●トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ 38
体表が冷えている
冷房病にはこっちがいい


●ゴシャクサン 63
いろいろなものが固まって動かない状態

16種類の生薬 しかもどれもせこい量
切れ味が悪いのでとても有名
が、慢性期で、万策尽きたときに使う
「少しずつしかよくならない」と患者とともに納得していないと無理
予防薬

ちんぴ、はんげ ⇒ 六君子湯が有名だが、水滞があると効く
  ⇒ゲップや胸焼けでる

キジツ、コウボク …気鬱に使う

つまり、気・血・水のどれも滞っている。ちょっとずつよくする

更年期の女性で、リウマチでもないのになんだか関節がこわばる
夜になると痛くなる (オケツの特徴)
…睡眠障害まで出てくる
ときに効く
飯は、2杯が1杯に減った程度

症状たいしたことなくて、しかもよく動く

  …漢方的にあまり喜びがない症例
   困ったときの知識としては便利だが、切れ味よく

●半夏白朮天麻湯
切れ味よくない…
「なぜ効かない?」

生薬が多い(12種)
なんとなく迷っているときはいいけれど…
かすることはおおいが、満点は取れない

テンマ めまいふらつきに 肝の上行

カンキョウ
ニンジン
ショウキョウ   …ニンジントウだ

タイソウはいっていれば シクンシトウ

つまり、脾虚につかう
で、水さばくがタクシャは1.5gと本気の量ではない

バクガ あめ

オウバク(黄肌) 〜下痢止め フェノバリンの元となったもの
  胃腸が弱くて下痢するときにいい


気虚でのめまい(陽虚、腎虚)は、華々しくはないけれど、脾虚は避けて通れない
後期高齢者では、腎虚あっても、脾虚あるから八味地黄丸とか使えない。補腎しにくい
ジジュン トウキシャクヤクセンキョウあっても使えない
バクモンドウトウも 脾にダメージある
 「イモだから、胃もたれ」

舌 胖大 あれば、気をつける

西洋医学が省みなかった機能性障害
胃拡張・貯蔵・排出能低下があると、胃もたれ。
それをまず最初に補って、補腎を1or2回入れる

昔よりは、中年は虚しているが、
後期高齢者はそれほど虚していない
舌を見ればいい

「朝ごはん、1膳食べた」というひとは大丈夫
白っぽく、白苔のっていたら、まず補脾を。基本はニンジントウ

例: パーキンソン病 でやっぱりだめだった
気が虚すると、だんだん血虚に ⇒両虚
⇒じゅうぜんタイホトウ
  自立神経障害が圧縮している
 一番出ているのは、脾気虚。オケツは2番目
  ⇒ 脾臓を補うのがまずあるべき
    問題なくなれば、腎を補う

5臓論で大事なことは…

高齢者
肝 イライラ、落ち着かない、焦燥感(怒りではない)

睡眠障害
緊張強ければ眠れなくなる
肝・心両方を補わないと…

昼間からテンションあがっていたら、マイスリーとか入れたって、6時間持たない

昼間あがっているテンションを下げるべき 
⇒肝臓を補う
⇒抑肝散 などなど
 シギャクサンはもっと切れ味いい

ところで、抑肝散 はシャクヤクがはいっていない
 江戸時代は、シャクヤクとオウレンを加えていた。非常によく使う
  刀よりもソロバンの時代によく使った

⇒抑肝散をほんとうに効かせたいときは、
芍薬甘草湯と抑肝散を2Pずつ。
 ただ、芍薬甘草湯は、甘草が多すぎる(1に治療3g)
 1日3g超えると危ない!

…抑肝散
絶妙なところは、
チョウトウコウ 
(47 チョウトウサン 虚証側の夜明け型のめまい。朝方だからクケツ。
  大切なのは、バクモンドウ、ニンジン ⇒ジジュン
 他例 ウンケイトウ 106 これもバクモンドウ ニンジン

 水が足りない頭痛めまいに使う!
 冬、寒くて暖房で乾燥するときに!
 うるおいなくなるといらいらしやすい
 皮膚をかきむしりたくなる キーワード「唇が乾く」目・鼻でもOK)


●トウキシャクヤクサン
血虚と水滞につかう めまい
しもやけも、これ!

 サイコとシャクヤクの組み合わせ

●ケイシカリュウコツボレイトウ
頭痛肩こりめまいに、いい
水が余っている

ジオウ
 イモ 〜たいてい消化悪い(トウキも)
 食べてみると、すさまじく消化悪い


●質問

気虚が進むと、鬱は自殺する

中医学の先生は、
サイコはステロイド骨格あるから長期には使わないという

⇒同じ処方を続けることはない
状態がよくなったら年のレベルで使うことはない

サイコは肝
だんだんやっているうちに衰え、だんだん心にいっちゃう
おうれん、おうごん、(実)
サンシシ、オウバク (虚)にいっちゃう例が多い

まあ、怒り(肝 瞬間)より、不安(心 隠虚)が、長い目では移っていく


2009年03月02日

090302 血液内科

●090302 血液内科

●貧血
「単位容積中のHb濃度の正常範囲を超えた現象」
→組織低酸素

血液伝票1枚で貧血は鑑別できる(8割)
・MCVは? (桁なんてどうでもいいから、計算!)
・造血は亢進?低下?  Ret
・ほかの血球は?  …造血幹細胞が壊れた?

 → これで、紹介すべきか自分で診るか、わかる

●MCVと発生機序で貧血は分類できる

     栄養障害   造血障害     破壊・喪失
小球性  鉄欠乏    サラセミア(非常にまれ))
            鉄がきゅうせい
            無トランスフェリン
             …

正球性         二次性貧血    急性失血
            再生不良性

大球性(140以上) 悪性貧血など(抗胃壁抗体・胃全摘)
   ビタミンB12(5年で尽きる)
   葉酸欠乏(妊娠、アルコール多飲)
    …妊娠中の葉酸欠乏はALLの危険因子

・フェリチンは炎症であがるので、鉄欠乏をマスクしうる

・鉄欠乏製貧血
「栄養障害の一表現型」
舌炎・さじ状爪
→ 自覚症状なし けど、全身倦怠感、集中力低下

中年以降は出血源の検索が最重要
輸血は原則不要
 例外 活動性の出血・重症心不全・高齢者・Hb3以下

 6以下のような重症は、たいてい癌

論文: 癌年齢の鉄欠乏あったとき、4人に1人は癌

フェロミア 4錠で十分
鉄の充足は3〜4ヶ月
錠剤で吐き気が出るなら、シロップ(含有量少ない)でたいていへいき

Hb10が目標
 2週間の静脈注射でたいていOK
あがってくるまでは5日くらいはタイムタグあり
 Retが3〜4日でどかんとあがってくる → 効いていると判断できる


B12 欠乏
 抹消神経障害だけでなく、痴呆のような形で出うる
   Hunter舌炎も
 背景を探る必要あり
 貧血度合いと比較し全身状態悪い
 ピロリ感染もあるかも
ちなみに、ピロリ除菌適応は、
ITPと大球性貧血
「メチコバール内服」もだいたい効く!!

葉酸欠乏
酒が原因なら、禁酒してまともに食事をすると改善
妊婦の葉酸欠乏は胎児奇形の原因に!


●発熱性好中球減少症
抗がん剤 = 毒
 好中球減少  → たいてい 緑膿菌やアスペルギルス
 液性免疫低下   肺炎球菌がやばい
 細胞性免疫低下

感染症が特定できるのは約3割
  熱が出たらとにかく抗生剤を、とやったら救命率上がった
数時間で勝負が決まる
 殺菌的抗生剤を極量使用
  (マクロライドとか及び出ない)
菌交代起こりやすい
好中球が回復すれば多くは軽快
 →2週間をとにかくしのぐ!

治療はリスク別に
呼吸機能 肝機能を評価しろ
 状態が悪いと熱もでないことあり

治療は、抗緑膿菌を「単独」で!
G-CSFはいまんとこよくわからない


当院の耐性
AMKは100%効く! ただ、十分量を使うのが難しい
 (保険量の倍!)
キノロンは8割
 PIPC 9割  〜おそらく一番信頼できる
 絶対に負けらないなら併用で

ペネムは耐性誘導が強い

緑膿菌のみがターゲットなら、TAZは必要ない

VCMはカテ感染あるなら…


G-SCF どう使うかは?
当院では
 悪性リンパ腫は 好中球1000未満で
  (1000以上あると、10000以上にドンとあがったりする)

72時間解熱なければ、深部真菌症を考える


●抗真菌剤
アスペルギルスは致命率100%
治療開始が遅れると、治癒は困難
確定診断できる状態は、たいてい手遅れ
  喀痰培養ででたときは、たいてい死亡…

ムコール
 アムホテリシンしか効かず、β-Dもでない

クリプトコッカス
 めったに診ない…


アムホテリシンB
 副作用が多くて十分量使えない…
 効くんだけれど

フルコナゾール
 アスペルギルス・ムコールには効かない
 副作用少ない

リポ化アムホテリシンB
 1日3万円…

ボリコナゾール
 実際には使いにくい
 高齢者の転倒やせん妄の誘引
 8割くらいが精神おかしくなる…

ただ、アスペルギルスは3ヶ月内服必要
内服1日4000円、点滴1日2万円強
  吸収とてもよく外来で治療を

イトラコナゾール
アスペルギルスにも効果(一部耐性)
カプセルは吸収悪い
内溶液は微妙な味…

ミカファンギン
 カンジダ・アスペルギルスにはとても効く
 副作用少ない
 注射しかできない


新規抗真菌剤 →アスペルギルスに勝てるようになった
  値段は高いが…


例: アスペルギルス
 肺動脈食い破って 天井まで喀血して即死

→ 大血管に隣接するなら外科的に


単剤無効時の併用療法

ファンガード、をどれか。
ほかを混ぜると打ち消しあう

 ただ、1日5万円…


カンジダ血症は
MCFGで!

・実際は、熱が出たら
 ガラクトマンナン併用で


●血小板減少症

・産生低下
 原疾患治療&輸血
・破壊・消費の亢進
 輸血は無駄
・偽性血小板減少 クエン酸チラートによる試験管内凝固
 血液像で確認できる
  ヘパリン採血で

発熱、凝固能低下
粘膜の紫斑は危険信号 「入院、輸血」
 内臓出血はとめられない!

慢性の血小板減少はいいが、
急性なら3万ではやばい!


●輸血
基準
Hb <7
Plt <1万  (DICは2万で 多めにしておく)
 症状、状態、年齢で前後
栄養障害の貧血で全身状態もちそうならO2投与


●ABO型
例外的に、生前から抗体を持っている


Minor mismatch
 患者血球に対する抗体が輸血に含まれている
 臨床的にはOK!

合併症
 最善は、輸血をしないこと
不適合輸血
 血管内溶血 → 血管内皮を障害
 多くは事務的なミス
免疫反応
 アナヒラキシー、喘息用発作 …だいたい15分で
 TRALI(輸血関連急性肺障害) 
  8割は3日で回復
  他人の白血球が原因に
   白血球除去フィルター使えばいいが赤字に
  (利尿剤は無効)

感染
HIV
 ウィンドウピリオドはすり抜けうる
 検査代わりの輸血はやばい!!

GVHD
 おきたら全員死ぬ 治療法なし
 HLAが似ていると起こしやすい(異物だと認識できないから)
 リンパ球を放射線照射で不活化できる
  微妙にKあがってくるので、腎不全は照射後すぐに

緊急時の対応
 輸血をやめる
 針はぬかない
 脱血 30〜50cc
  ルートの血を押し込むと悪化

・凝固優位のDIC(ほとんどのDIC)
感染症によるDICは血管内凝固優位
FDP上昇は軽度
FBG低下が炎症でマスクされる
 「正常範囲」は異常!!
  DICスコアに頼ると手遅れに
血小板の致命的な低下に注意
微小循環障害が主 腎不全、意識障害

TATが一番いいが、外注に…

トランサミンは禁忌

抗凝固療法なしの血小板輸血は禁忌!!!


・線溶優位のDIC
白血病によるDIC
FDP、D-dimerはどかんとあがる
血小板、FBGは低下
適切に補充しないと、死ぬ
出血したとおもったら、半日持たない

塞栓兆候なければトランサミンOK


抗凝固療法補充しながら血小板2〜3万を

ノンスロン 1500単位 重要


●多発性骨髄腫

60〜70でどかんとふえてくる
1万人に2〜3人


TTTはIgM、 ZTTはIgGを反映
 異常あれば注意
自己免疫疾患による多クローン性Igは鑑別
高Ca血症を疑う腎機能障害

疑ったらすぐに血液内科へ!!!
 腎不全起きたらておくれに!!!

…そうでなくても潜在性腎障害で、いろいろ薬使いにくくはなるが


●血液内科の発想法
・予測せよ そして備えよ
  過去のパターンから未来を予測する
  変化の方向と速度は?
    やばい速度でへってないか、回復してきてるか
  シナリオは3通り
   よくなった場合
   悪くなった場合
   すごく悪くなった場合
・リスクの重さは掛け算
  起こる可能性 X 起こった場合の重要性
・昨日と同じ明日は来ない


●薬剤性血小板減少
PIPC → 破壊性
精神科 → 産生障害?

ちなみに
高齢者増加率は75%異常
  国立社会保障 人口問題研究所
  日本の都道府県別将来推計人口

人間の生 という要求に限界はない
 医療費を絞って死を受容するのも道