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2009年04月05日

Dr岩田健太郎2

●Dr岩田健太郎2

●気道感染のマネジメント

風邪?
…気道感染をしっかり7つに分類を!(Big7)

1) common cold
2) pharyngitis
3) sinusitis
4) influenza & I-like illness
5) bronchitis
6) pneumonia
7) otitis media

1) common cold
「くしゃみ鼻水鼻づまり」微熱、倦怠感、頭痛など漠然とした症状
緩徐なonset

  抗菌薬いらない
 苦しんでいることを治療する
 熱ざまし、抗ヒスタミン、etc

妊婦と知らなくていろいろ薬出したり…

ちなみにPLの抗ヒスタミンは、高齢者に 尿閉の原因。ふらついて倒れたり…


2) pharyngitis
比較的急性発症
高熱と喉の痛み、腫れ
咳鼻水はあまりない

…抗生剤が必要なときがある
6割はviral
bacterialは、抗生剤!

・カナダルール
BT> 38度
咳なし
前頚部リンパ節腫脹、圧痛
扁桃が腫れている・浸出物がある
3〜14歳 1点
15歳〜44歳 0点
45歳以上 -1点

→ 2〜3点なら検査
4点以上は抗菌薬だしてよし (だいたいmax63%の感度 20%から)

…培養は、確実だが日数がかかる
迅速検査は感度9割

溶連菌は必ずペニシリンが効く
…実は、治療しなくても結構治る
抗生物質使うと、
 症状は1日早く収まる
 リウマチ熱の予防効果
   (舞踏病、結節熱)
糸球体腎炎は予防できないという意見もある

伝染性単核球症
ジフテリア
淋菌
咽頭結核
HIV を忘れるな

・リンパ節の触り方
顎下
前頚部 …細菌性はまず出やすい
後頚部 …EBVはでやすい
甲状腺 …亜急性甲状腺炎はないか?
後頭部

・扁桃腺は?
ただ大きい ただぽこっとある
炎症ではれている 赤みが強い


3) sinusitis
頭痛めまい鼻水鼻づまり 痛み・目の周りの違和感
一見不定愁訴だが、鼻周辺に症状集中、前かがみで増悪
咳を伴うことある

診断は…
CTは感度高いが、待ち時間を増やす
 感度も高すぎる(症状ない人でも、副鼻腔炎あったりする)

診察は、
・顔面の圧痛(指の平で軽く押してあげる)
  左右差あり
  目の間を押すとシコツ洞に届くが、感度は低い
  喉に後鼻漏はないか
  耳鏡で鼻炎チェック

治療は、
ヨーロッパは、使わない
アメリカは、最近使わなくなった
日本は、何も考えずに抗生剤使う

抗生剤を使わなくても7〜8割はなおるから、ほっぽっとく
対症療法の抗ヒスタミンや、ステロイドや、漢方薬を

2〜3割は、抗生剤を。
使うべきは
・熱が高い
・痛みが強い
・膿が出ている(口とかかあ)
・7日以上症状が続いている

肺炎球菌、モラキセラ、などが起因菌
AMPCが第一選択
 効かないとかアレルギーがあるなら、ほかを考える

7) otitis media
sinusitisとほぼ同じ
7〜8割は抗生剤使わないで治る

重症例に抗生剤を使用する。


4) influenza & I-like illness

RS、パラインフルエンザも同じような症状出る

急性の高熱、悪寒、間接の痛み、喉の痛み(腫れはない)、咳・鼻水
抗菌薬は肺炎の予防効果なし

タミフルは?
数年前までは「○○の一つ覚え」だったが、
タミフルの不利益も検討を。
・副作用
・非常時の備蓄を
・耐性ウイルスの可能性は
…楽天的な診療は、できない!

→推奨事項
・健康で合併症のない成人・小児にはタミフルを出さない
 (強い要望があるなら個別に対応)
・健康な人にたいする効果は
 合併症は減少しない
 症状回復を1日早める
 死亡率は下がらない
・ほかの人への感染性を下げるデータはない
  →感染期間は人前にでるな タミフルのんでいても

リレンザは
タミフル耐性にも効果はあるかもしれないが

・パソコン、電話触った後は手を洗え


5) bronchitis
・レントゲンで肺炎の影がないが、痰が出る
…診断があいまいで悩ましい

アメリカでは、90%以上はウイルス性だから抗菌薬を使うな!と学会では言っている。
が、診断基準がもともとあいまいな病気だから、わからない

グラム染色をしていると、けっこう肺炎球菌が見つかる

軽症例なら、外来フォロー
 非定型が結構隠れている
 免疫が弱っている人はiwata的には抗菌薬つかっちゃうが…

6) pneumonia
遅れて現れる浸潤影に注意
類似疾患に注意

肺炎球菌(GPC)、モラキセラ・インフルエンザ桿菌(GNR、ちっちゃいだるまのように球菌みたい)
マイコプラズマ、肺炎クラミジア、レジオネラ

非定型は、疑いあれば必ずカバー
一般論は
・亜急性
・全身症状 消化器症状 あり


●グラム染色
GPC
GNR

気管支炎と肺炎 で痰が出ていたら、染めろ!


●TB
日本は先進国で飛びぬけて多い!
否定できていなかったら、キノロンは使うな!
抗結核作用あるから

病歴でほとんど診断がつく
 漠然とした長い症状
 微熱、咳、倦怠感、寝汗、痰、胸痛、体重減少、
  リスクファクター、暴露歴
 疲労、栄養不良、合併症、免疫不全、HIV

●咳止め
「くさいものに蓋」

咳を見つけたら原因検索
もっともやってはいけないのは抗生剤

・慢性の咳なら、
GERD
副鼻腔炎
咳喘息 〜気管支拡張薬でトライ
ACEi
成人百日咳(症状少ない)
TB
肺癌
心不全、COPD
  「必ず胸部X線を!」
 「わけのわからなかった咳を、わけのわかる咳に」
…抗生物質で慢性の咳はなおらない!


●風邪
なおっちゃう。けれど実際は、からだが自然になおしている
「社会正義 もたいせつ」
1年後、10年後も。裏の部分、耐性菌、次の患者も考える。副作用・コストも考える
…「私の子だけは」という感情的なからみも、たいせつ
 なんできたのか、もたいせつ

肺炎が心配なひとには、レントゲンをとってあげればいい

風邪のとき有効な close-ended question
短い時間で隠れたニーズを引き出す


風邪、タバコがまずくなる
ここは禁煙指導のチャンス!

フォローアップは、1週間後

連絡先を渡しておくこと
 もし悪くなったら連絡ください
 抗生剤を使わない、万が一のときのフォロー

メールは24時間以内に返す


●外来の尿路感染

・診断
検尿: 蛋白、白血球、沈渣、培養
病歴: 頻尿、排尿時痛、残尿感、結石で嘔気

・部位
尿道 〜STI (排尿時痛、尿道の膿、潰瘍、性活動)
膀胱 〜頻尿、排尿時痛、残尿管 (性活動でもリスク高まる)
前立腺
腎盂腎炎 〜症状が強い(腰痛、下腹部痛)  〜入院の適応

・男女でマネジメントが違う
女性は、尿道が短く肛門が近いためおきやすい
男性は、起こしにくい

もし男性が起こしたら、原因精査しないといけない(子どもでも)
・前立腺肥大、結石、免疫低下、前立腺炎 …
 前立腺を触る!
キノロンやSTを長めに使わないといけない
CTなどは見逃しが多い

女の子は、精査の必要はない
診察不要
検尿、尿培養

妊娠していないことは確認
 ニューキノロン、STは禁忌 〜これらだったら3日間だが
 AMPC、CEZで5〜7日


尿培養
 不要の意見もあるが…
 地域の感受性パターンの把握
 再発時の次の手段の把握を

サンフォードは アメリカ全土の薄まった地域のガイドブック・最大公約数
 地域のものとは別
陽性カットオフは、10^3がいいと言われる

検査陽性だが症状がないとき
無症候性細菌尿

無症候性でも治療しなければいけないのは…
・妊婦!
・泌尿器科系外科手術前
合併症としての腎盂腎炎のリスクが変わる

DMは、予後変わらなかった NEJM 2002

・腎盂腎炎はどれくらいの期間抗菌薬を使うのか
尿培養・CRPフォローは不要

一般的には10〜14日
キノロンは7日間
複雑性なら3週間以上


・治療より大事なこと
再発しやすい方なら、十分な水分補給と排尿を
肛門から前に拭く人は感染起こしやすいと言われる

膀胱炎1/4は1年以内に再発すると言われている

生活指導をするためには生活パターンを知らないと。
 トイレに行きたくない高校生とか
 性教育 場合によってはSTI精査も

「診断、治療の周囲が必要」 …救急外来はそこまでしなくていいけれど

●下痢
・便培養は必要?  …細菌性を疑う?
・抗生剤は必要?
・下痢止めは必要?

病歴:
・超急性 〜12時間以内
 → いわゆる食中毒(毒素による下痢)、ほっとけば治る(48時間)
   培養も抗生剤も不要。下痢止めはケースごと
・急性 16時間よりあと
 → 細菌を考える
    全身の発熱、寒気、震え
    血便
   便培養を取る
   抗生物質は、微妙。
    症状がきついひと、
    ビブリオは関係ない
    赤痢 …抗生剤を使わなくてもだいたい治る
   O-157(志賀様毒素)腎毒性ある …抗生剤で悪化するという意見強い
・慢性 何週間も続く
  非感染症を考える。旅行中なら寄生虫も(アメーバ、ランブル)
   乳糖不耐症

食歴の取り方:
・一番近いところから一つずつさかのぼっていく
・「どこでたべたか」 場所や、調理した人を
 「どんな食材を?」 いつ買ったかも
 「誰と食べたか」 同じ症状のひとは?

潜伏期はまったく覚える必要なし
[ control of communicable diseases manual ]など細かく調べろ
博学的な知識は要らない、厳密に調べる

・pseudo-outbreak

水分補給は
・点滴
・スポーツ飲料 (浸透圧が高すぎてまた下痢する)
・ORS …グルコースと塩分がつくと吸収がとてもよくなる。レセプターがある
1Lの水、5gの塩、20gの砂糖、2.5gの重炭酸ナトリウム、1.5gのカリウム

…点滴は旧時代の治療、とされている
が、点滴するとスカッとする!!
抗生剤みたいに社会的問題ないし…
ORSはまずい!

どれくらい飲む?
…ほしいだけ、だと足りない?
「普段どおりのおしっこが出るまで」


・ノロウイルス(1〜2日)
牡蠣での感染が有名
ほかは、ビブリオ(1〜2日)、A型肝炎(約30日)

世界中でもっとも多い下痢の原因が、ノロ。感染力がもっとも強い。ほんの数個でうつる。
補液さえしておけば怖くはない
アルコール製剤は聞かない。石鹸でごしごし洗え

・カンピロバクターの診察は?
加熱不十分な鶏肉 
ギランバレー、ライターの原因に

カンピロバクター疑っていたら、ちゃんと伝えないと
 特殊な培地が必要
ニューキノロンの耐性菌が日本ではとても多い
 AZMが第一選択

・サルモネラ菌は…
通常は、無症状なら抗菌薬不要だが、
コックなどなら便培養が陰転化するまで
 手洗い指導をしっかりと

便培養のフォローは保健所的には必要だが、通常は不要
入院患者の便培養は不要! 検査室いじめでしかない
 カンピロやサルモネラは培養不要


●旅行医学
海外旅行でもっとも死亡率が高いのは、交通事故
何十、何百というひとが交通事故で死んでいる
 リスクアセスメントが苦手 (タクシーは怖い…)
アセタゾラミドは高山病にいい …アシドーシスで過呼吸OK
インスリンの持ち込み方。便をスーツケースに入れると凍る

エコノミー症候群
 太った人、妊婦、凝固異常
 → 水分取る、アルコールのみ過ぎない、運動する
 ヘパリン皮下注も手段

海外の下痢
 旅行者下痢症 …大腸菌ETEC
  ほっといても治るが、抗生剤で速く治る
  リファキシミンはRFPの親戚だが、選択的にETECをなおす
 下痢止めは…少し前までは使うべきではないと言われたが、
  ETECに対しては安全性が高いとわかった

カウンセリング

旅行前・予防
・ワクチン
・予防投与(マラリア予防)
・生活習慣指導

まず聞くは
・どこに行くか
  地域、国が重要
・いつ行くか
  予防効果は1ヶ月かかる
・期間は
  3〜4日はOKも、1ヶ月いるならB型肝炎も(STIだけど)
  狂犬病も

そして調べる
・CDCにいけば、検索できる
  WHOも似たようなサイトを持っている

リスクあれば予防接種を
狂犬病は、
予防接種もあるし、
かまれた直後にうつこともよし

南半球にいくひとは、日本の夏季にインフルエンザ、赤道なら通年である
破傷風はブースターも10年ごとにうつべき
1968年より前のひとは三種混合うっていないので、3回打たないと。

不活化ワクチンは筋注
生ワクチンは皮下注 (皮内注にならないように!)

ワクチンは同時接種できる

黄熱病は検疫所でしか打てない…
 ペルーとかいくのに…

免疫低下(COPD、腎不全)は 積極的にやらないと! (説明書はウソ!)

局所反応はアレルギーではない

『red book report』が旅行前ワクチンについて詳しい

・マラリア予防
メフロキン (ポピュラー)
  〜週に一回、帰ってきてからも4週間! 飲み忘れて発症しやすい
ドキシサイクリン(こまったときに)
クロロキン(古典的 ほとんど耐性)
マラロン(アドバコン・プログアニル合剤)(海外で話題! 帰国後1週間でやめられる)


スタンドバイセラピー
 治療薬を持参させる
実はチフスだった、ということなどもありうるので…

・生活習慣指導も!
「旅の恥は掻き捨て」?
「蚊に刺されない」 夕暮れでない、長袖、殺虫剤

・旅行後の発症
デング熱
  渡航者は増えている
 旅行歴は必ずチェック!

バングラディシュから帰ってきた人が熱でたら
・そうでないと確信とれるまで「マラリア」

デングは勝手に治るけれど…
検査、血液塗抹を
検査できないならすぐ相談を

[ Travel medicine ]


●STI

婦人科系の病気は見逃しがち…
プライマリケアでも性器の診察を

男性の生殖器は訓練受けていない

立位で
鼠径のリンパ節( クラミジア合併の鼠径リンパ肉芽腫 とか)
陰毛 (毛じらみ) 皮膚も
上側 皮疹チェック (梅毒)
裏側 
陰嚢を両手でもって、精巣のmassチェック
  精巣上体 軽く握って痛みあるか?
会陰 肛門病変ないか 痔核やヘルペス
亀頭 カンジダ亀頭炎あるか、
 尿道は開いてみてみる。炎症があれば見える!

・見つけたときの大原則

1)すべてチェック
性器病変:梅毒、クラミジア、淋菌、軟性下疳、子宮頸がん、センケイコンジローマ、
性器に病変なし:梅毒、HIV、B・C型肝炎

2)パートナーも治療


●梅毒
昔からあるが、培養が難しくてまだよくわかっていない

1期 下疳(潰瘍病変、ヘルペスと違って1個だけ、ピザのような辺縁)
  血清額的検査は感度が低い、暗視野の顕微鏡で
2期 全身の皮疹。水泡以外は「なんでも」できる。
 神経梅毒
    診断難しい
3期 血管炎など、先進国ではまれ
 latent(無症状梅毒)
   感染後1年以上たっていると、late

治療
 ベンザシンペニシリン 筋注1回!
 日本にはこれがないので、
 アモキシシリン2〜3g1日2回+プロベネシド500mg1日2回を2〜3週間
  アレルギーあればテトラサイクリン

TPHAは、防御として一生のこる
RPRは追いかけろ 2週間後にフォローしても無駄
 1年後におちるかな。3ヶ月に1回。
RPRは2倍くらいにとどまって下がらないこともある serofast reaction は治療成功

…高いときは、治療失敗か再感染

●陰部ヘルペス
HSV-2

水泡を破って、潰瘍のそこのところをひっかいてきて、ツァンク法などで巨核球をみることも
初感染は、両側性、多発性、有痛性
再発時は、症状軽くて変則性が多い 〜少なめでいい

●クラミジア
尿道スワブ
尿培養
DNAプローブ法(感度・特異度99%) 日本では男性のみ保険とおる

通常の治療は、AZM 1g
淋菌を見つけたらクラミジアも治療


●淋菌
二酸化炭素増やした変わった培養で
GNC
グラム染色や培養で

ニューキノロン …も耐性化
CTRX 125mg筋肉注射1回
 〜CTRX 1g 1回点滴 も手

●治療のあとに性教育

コンドームつけない
不特定多数
よく知らない相手
  できるだけ具体的に!


コンドームは正しいつけ方を
勃起してから
勃起している間に抜く
潤滑液は水性を

 梅毒、ヘルペス、パピローマは100%は防げない

症状がなくても調べてもいいか?
→いいことでしょう。クラミジアとか症状ないし

子宮頸がんは感染症だから18歳でなることも


●HIV

日本は感染者がどんどん増えている

膣は扁平上皮なのでそのままなら移りにくいが、ヘルペス・クラミジアがあると…

若い人が肺炎などを繰り返し「年寄りみたいだな」


検査
ELISA …抗体を測る。が、感度は高いが特異度低い
  〜 ここで、×「HIVかもしれません」○「判定保留中です」
WB … これで確定を

ウインドウピリオドはPCRで
ここでの投薬で、AIDS発症を防ぐ可能性あり

伝染性単核球症!

若い男性の無菌性髄膜炎はHIVを必ず疑うべき!

ウイルス価は、進行スピードと関連

「ちょっと頭痛い」 軽症でもクリプトコッカス髄膜炎かもしれない!!
「気分悪い」 乳酸アシドーシスだったり…

2009年04月04日

Dr岩田健太郎 感染症

●抗菌薬の使用方法の間違い

エンピリック ≠ 「とりあえず広く・そして狭める」

・診断が不在?
 問診・診察
 培養・染色・疫学 が大切

耐性菌が理由で効かないことは、実は珍しい

  …数週間前からの呼吸苦、肺の影 →心不全?

・広い抗菌薬がいい?
「うまくいっているときにあえて薬を変えるのが正しい」
(医療では珍しい)

・血液培養?
熱とは無関係
必ず2セットとれ

・MICは無駄

・見落とされる患者情報
アレルギー
 おばあちゃんとか、知らないことがあることを恥ずかしがる
原疾患
 腎機能、肝機能
今使っている薬
 マグネシウム製剤


●ペニシリン
抗菌力強い

PCG
アミノペニシリン(合成ペニシリン)
・ベータラクタマーゼに壊れないペニシリン
黄色ブドウ球菌に効くペニシリン ナフシリン・オキサシリン(日本にない)
PIPC …緑膿菌に効く

上記+ベータラクタマーゼ阻害薬

・ペニシリンがいいのは…
…肺炎
PSSP
PISP  〜PCG大量
PRSP  〜PCGは使わない

…梅毒
100%効く
性器(1期)→バラ疹(2期)→血管炎(3期)

日本では、ベンザシンペニシリンないから
プロペネシドをアモキシリンにかませて血中濃度をあげて14日間
〜神経梅毒の恐ろしいのは痴呆に見える

神経梅毒は点滴のPCGでないと量が足りない
2400万単位 4〜6回投与

〜ちなみにスピロヘータは、皮疹でたり熱が出たり下痢したり
J-H反応
 アレルギーではない!

…心内膜炎
Viridans  PCGを4週間

…咽頭炎
ほとんどはウイルス性だが、A群β溶連菌も
迅速検査か培養で (両方は保険効かない)
PCG細粒10日間 アレルギーあるならマクロライド

〜咽頭炎の鑑別
伝染性単核球症 後ろのリンパ節が腫れやすい
 …これにアミノペリシリンを使うと皮疹が

…壊死性菌膜炎
  とっととデブリしPCGも
 毒素抑えるのにCLDMやグロブリンを?
 だが、初期治療は必ずカルバペネムを
  嫌気性菌もまざったtype1もありうるので
 培養がでてから、de-escalation

ペニシリン裏事情

ペニシリン1単位 0.27mcg
2400万単位は、6.5g

PCGは、ナースが文句を言う
 それへの対応は、誤る、普段から貢物を…

PCGは血管炎を起こす。カリウムが多いから(欧米ならNaが入ったのがあるが)。だめならアモキシリンに変えることも

副作用で最も怖いのは
・アレルギー 0.7〜10%(クームスT型)
アナフィラキシー  0.01〜0.001%
・腎障害 〜おきるが、アレルギー2型・間質性腎炎(抗体がつく、血尿から発症)
   …減量してもアレルギー性だから、やめないといけない
    逆に、アレルギーのせいだから、量とは無関係

…蜂窩織炎
連鎖球菌なら効く
黄色ブドウ球菌なら、CEZ

…中耳炎、副鼻腔炎
抗菌薬を使わない
アメリカでも使わなくなった
  多くはウイルス性
ただし、耳がすごく痛いとか、高熱を伴うとか、つらそうなら、AMPCも。

ちなみに最大の原因菌は、肺炎球菌

中耳や副鼻クウはもともと効かないから、肺炎みたいに全滅させる必要なし。自己免疫で戦える


●セファロスポリン

・第三世代

CAZ セフタジシム
  緑膿菌に効く、GPCに効かない
 →市中肺炎には使えない(肺炎球菌に効かない、緑膿菌ない)

CTRX
 市中肺炎に第一選択

・分類は…
1)「オレセファ」黄色ブドウ球菌、連鎖球菌
軟部組織(蜂窩織炎、丹毒) (壊死性菌膜炎は、はじめはだめ)
術前予防 執刀30〜120分前
・大量投与可能 8g/day可能
・髄液移行性悪い
 ・感受性があればGNRにも使える
  …MSSAに効く大事な薬だから、大腸菌には使わないとするひともいる

2)「ハニセファ」市中肺炎、尿路感染
CTM
CTRX
CTX セフォタキシム
CXM-AX セフロキシム

・市中肺炎
・腸内細菌(ただし嫌気性菌には効かない)
・淋菌(筋注、と書いているが、静脈投与で一発 クラミジアもチェック)
   AZMも同時に投与を(1g)

CTRX
・1日1回投与
 外来で使える数少ない抗菌薬
・腎障害を気にする必要ない
   …肝機能に異常あると使いにくい

・市中肺炎よくある質問
非定型をどの程度疑う必要あるか
・染色で見えているならいらない
・90歳の寝たきりおじいさん、家にインコとかもいない

逆に、15歳の少年で2週間前から咳が出ていたりして…
ただ、最近の研究では病歴ではわからないという話がある
カバーするならマクロライドを
(テトラサイクリンはβラクタムと相殺)

・患者さんがよくなったら経口投与に
敗血症があったときはしばらく点滴で

・肺炎の治療期間は だいたい1週間
合併症あるなら(敗血症、胸水)だったら3〜4週間とか

CRP陰転化は不要
X線正常化はナンセンス

3)「ケセファ」 腸内細菌、嫌気性菌
セファマイシン  (GPCには効かない)
CMZ セフメタゾール
CBPZ セフプペラゾン

口の中の嫌気性菌は90%はペニシリンで治る
(誤嚥性肺炎はペニシリンで治る)
バクテロイデスはベータラクタマーゼある
それに効く

が、最近効かなくなってきた

…重症では使えなくなってきた
ユナシンやペネムを

4)「リョクセファ」緑膿菌

CAZ セフタジシム
CPFM セフェピム

・好中球減少時
・院内感染の重症例
・髄液移行性がいい
  …脳外科での髄膜炎

だんだんGPCがふえてきた

CAZはGPCには効かない
CFPMはGPCにもだいたい効く

好中球減少時、GPCはゆっくり対応すればいい
→どっちつかってもいい
だいたい、GPCが臨床的に疑われるならVCMをはじめから


・セファロスポリンで注意すべきこと
腎毒性(アレルギー性には起こるがコモンではない)
ペニシリンとの交差反応(5〜15%)
偽膜性腸炎  CLDMと同じくらいの確率で出る

すべてのセフェムが効かないのは… 腸球菌・リステリア(GPR 生チーズ)
  第一選択はアンピシリン
  髄膜炎にアンピシリンをかませるのは、リステリアがいるから
  (ありえないなら、サンフォードに書いてあろうが不要)


●ST
葉酸合成系を阻害する2剤のシナジー

投与量はトリメトプリムで表記
S:T=5:1

例:PCP T 4mg/kg
 → 体重60kgで3アンプルor3錠 これを6時間おき

・高いbioavailability
あらゆるところに移行性がある

・PCP特徴 …病歴!
高い熱
緩徐な進行
呼吸苦(特に労作時)

低酸素のときはステロイドを併用するといい

cf STは、肺炎球菌、インフルエンザかんきん、モラキセラにも効く
前立腺はセフメタゾンやペニシリンは効かないが、ST効く

ノカルジアのファーストチョイスはST(セカンドはカルバペネム)
リステリア 第一選択はアンピシリン、第二選択がST
マルトフィリアもST

(原虫)
トキソもST
サイクロスポラ、

ウェゲナーもなぜかST効く

「いろんな臓器にとどき、いろんな感染症に効く」

・STの癖
副作用が多い
・ほんとに怖いもの
1)皮疹(3~4%、HIVあると50%にもあがる)
  →SJS・TENまで発展しうる
 → 脱感作を
2)高カリウム血症 (腎からの排出を抑える)
 あせる必要はないが、注意
3)血球減少
 …脱感作できないから、あきらめるしかない

・まやかしの副作用(びびっちゃうけれど怖くない)
1)クレアチニン上昇
怖くないことがほとんど。腎臓からの排出が抑えられているから
感染症のショックとかなければ、みていていい (経過観察)
…脱水とかほかの要素なければOK

・他
ほかの濃度をあげる
MTX、フェニトイン、ジゴキシン、SU剤
経口避妊薬の血中濃度を下げる


●アミノグリコシド
1)Postantibiotic effect
血中濃度が落ちても抗菌作用が期待できる
→1日1回投与
2)濃度依存性
 ただ、治療域が狭いので注意(毒性がでるまでが近い)
 ピークが問題!
3)シナジー
 βラクタムの効果を増大させる
 黄色ブドウ球菌の心内膜炎には3〜5日間使う
腸球菌は、βラクタム効きにくいから最後までアミノグリコシド使う
緑膿菌敗血症には使うこともある

おまけ) 細菌を殺し始めるまでの時間が短い

ただ、同時に投与すると失活するので別に入れろ

単剤では、「好気性GNR」
GPCはシナジーで

・注意すべきは
1)聴力障害
2)平行障害  …非可逆的
3)腎毒性(非乏尿性) …可逆的といわれる(ほっとけば非可逆性に)

アレルギー・静脈炎が非常にまれ

肺への移行性はよくない
膿瘍には効かない(アルカリ性で抗菌力、酸性下ではだめ)

・血中濃度の測り方
ピークとトラフの2回測るのはめんどくさい…
1日1回測れば、傾きがわかる

…さらに、朝投与して、次の日の朝1mcg以下なら、中毒域には達していない
ただし、アンダードーズは避けた上、で。

GM・TOB は5mg/kgで!
AMK は15mg/kg

好酸菌 …SM
腸球菌・ペスト・野兎病 …GM
緑膿菌 …TOB
AMKはブロード
アメーバシスト パロモマイシン経口(腸管のみをターゲットに)


●ニューキノロン

ヨーロッパでは使われていない
沖縄中部では使われていない

外来で使う必要がないニューキノロン
そんな広いもん使う必要ない

余計な菌をカバーしている(緑膿菌・結核まで)

ではいつ使う?
重症な市中肺炎
 どうしても入院できない場合
 経口と、点滴とほとんど同等(boiavairabilityが非常にいい) 

・知っておきたいこと

OFLX・CPFX 一回の変異で耐性
LVFX・GFLX 2回以上の変異が必要

…LVFX感受性であってもCPFXは耐性かもしれない
新しいほど耐性もちにくい

CPFX 黄色ブドウ球菌によく効く(LVFXはやらない)
  …耐性でやすいので、RFP(こちらも耐性でやすい)を同時に使う
LVFX・GFLX 肺炎球菌によく効く

1日1回投与が正しい 濃度依存性を達成できない

・副作用
あまりないから乱用されるわけだが…

中枢神経障害: 頭痛・めまい・人格変容(まれだけれど)
軟骨毒性 小児・妊婦に毒性があると、動物実験では示されている
  (軟部組織に作用)
 おなじで、高齢者のアキレス腱障害
まれにQT延長
GFLXは、高血糖も低血糖も起こす

NSAID・テオフィリン・ワルファリンと併用不可
制酸剤・Fe・Zn・Mgなどで吸収低下
●結核診断の重要性
ニューキノロンを使うと、診断が遅れる
10万人当たり、23.3人 …見逃している

漠然としたなんとなく調子悪い
 だるいんですけれど…、微熱があるんですけれど…


●マクロライド
もともと呼吸器感染にはよかった。かつては市中肺炎にも有効だった
日本の肺炎球菌肺炎の80%にはマクロライド効かない
使いすぎのアメリカでも20%
ヨーロッパなら10%

溶連菌にも効かなくなってきている

慢性の咳に対してマクロライドは…

cf) 慢性の咳
・副鼻腔炎
・喘息
・GERD
・TB
・過敏性肺炎
・ACE-I
・成人百日咳 ← これのみマクロライド効く
・DPB ← マクロライド少量長期投与
  …COPDにマクロライド効くエビデンスなし

…慢性の咳にはまず診断つけろ! マクロライドを使うのは悪習

・効能
非定形肺炎
クラミジア感染症
MAC
ピロリ
カンピロバクター(ニューキノロンが効かない感染性の下痢)
ネコひっかき病

EM …経口(外来)は使う価値なし。1日何回ものまなきゃいけないし、消化器症状多い、副作用多い、薬剤との相互作用(シクロスポリン、ワーファリン)
 点滴はいい(日本にはAZMの点滴内)
 ICUの便秘・イレウスでいいことあり
CAM ・ピロリ、MACに使う(エタンブトールかませて)
AZM 1日1回でいい。薬の相互作用がとても少ない。消化器の副作用少ない
 …細胞内濃度を高く保つ

・AZMの落とし穴
厚生労働省の定めた「3日間」は根拠なし。効かないこともある
クラミジア肺炎は21日間、レジオネラだって…

●マクロライドの仲間たち
・CLDM
リンコマイシン系 (似て非なる)
GPC
『口腔内の』嫌気性菌
…腹部の嫌気性菌には効かないことが多い (そういったときはメトロニダゾール)

→使用例は、誤嚥性肺炎、蜂窩織炎 (βラクタムアレルギーあるなら)
ただ、偽膜性胃腸炎起こしやすい(セフェムと同頻度だが)

・TEL テリスロマイシン (ケトライド)
マクロライドと同じ
ただ、マクロライド耐性の肺炎球菌にも効く!
(日本では意識障害を起こす患者が、運転など、で報告されている)
  …何万と処方されてやっとわかる副作用があった


●感染症Q&A

・抗菌薬が効かない理由?
0)診断間違えていないか?
1)点滴しすぎの医原性肺水腫
2)肺塞栓 (ねたきりで…)
3)投与量、投与間隔 適切?
4)とどいている? 腸管浮腫あるのに経口している?
5)アレルギー性の熱はあるか?

・肺炎がなおらない…
MRSA肺炎がVCMでなおらない…
1)診断が間違えていないか
2)血中濃度は保たれているか
  …アミノグリコシドをかませるのも手 
   VCMの治療効果もあげる
   ただし…治療的にもシナジーだが、副作用もシナジー
  RFPもシナジーあり
   重症心内膜炎、錐体炎、硬膜外膿瘍
  LZDも手 …肺への移行性いい

 〜アルベカシンは使うべきではない!
   効果が明らかに低く、肺への移行性も低い

・下痢のない人のCD(+)は?
ずっとVCM投与しても消えないときは?

1)症状のないひとの検査は不要
 偽陽性が非常に多い
2)第一選択はメトロニダゾール
 症状よくなれば再検査は不要。陽性がでても、無視

「疑陽性は非常に多い!」
おなかがはる、便秘の偽膜性腸炎ありうる

・CD治療がうまくいかないときは?
1)Refractoru よくならない
2)Revrudescence 治りかけてまた悪化
3)Relapse 数週間後に再発

…1、2は非常にまれとのこと。よくならないとき
1)診断が間違えていてほかの原因
2)原因の抗生剤をやめていない
3)その薬が効かない →変更を

ほかのひとの便を食べさせる研究も…

Relapseはよくある
…薬を変える必要はない。それでたいていよくなる

●薬剤熱? ポイント
・熱はあるが全身状態は悪くない(ごはんたべてたり)
・薬入れてしばらくたってから
・比較的徐脈
・他に原因がない
…やめて3日で熱が下がる

注意:CRPはあがる。

●前立腺炎を見逃すな
直腸診 〜はれて、熱感あって、痛い
 CT・MRIより感度高い
…それなら、βラクタム使えない
長めの治療期間になる

35歳以下の前立腺炎なら、STIのこと多い
 淋菌やクラミジア
高齢者なら、腸内細菌

好中球減少症は、直腸診は禁忌!!! 菌血症招きうる


●やっぱり悩ましいアミノグリコシド

副作用が出ない工夫は、
・血中濃度はかる
・Ccrはかって、量を計算
・併用期間は3〜5日のみ

●アミノグリコシドをなぜかぶせるか
・シナジー
・耐性菌をつくらない
→緑膿菌には2剤使おう、という議論があった。が、
単剤で使っても、併用と予後が変わらないというデータが出始めた

で、単剤では?
副作用が少ない
たまたま耐性菌だったら、アウトになる

 どっちがいいかは決着がついていない

●緑膿菌はどこまでカバーすればいいか
・重症院内感染 
  …待てるときはまっていい
・好中球減少症は必ずカバー

手。カルバペネムはスペアする。


ちなみに、緑膿菌は好気ボトルのみにしかはえない
腸内細菌は嫌気性にもはえる

緑膿菌なら、TAZは無用。PIPCだけならほぼ半額。


●エンペリック
患者がまてるか・まてないか、が重要
待てるならきっちり診断して狭く
待てないなら(ショック、低酸素、強心剤使用)広くいって、狭める


サンフォード
アメリカン、マニュアル的で、知識がなくてもそこそこの診療できる
ただし、そこそこしかできない。それをあがめると、ちょっとしたバカ医者

医学メモ 在宅医療

●在宅死
佐久地域の在宅死 20%
 がん在宅死は 30%
全国の在宅死は 15%
 がん在宅死は 6%

⇒佐久は、がん在宅死とそれ以外とが逆転している
理由
1) がん在宅死は 短期決戦、戦術明確であり、であり、24時間医療・看護が入れれば比較的簡単
2) 佐久は、医療・看護体制はあっても介護力が低い(サービスが成立していない、老老・認認介護)。がん在宅死は医療・看護が重要となるので入りやすい。介護力が重要な、脳血管障害、認知症は難しい。
3) 医療・看護者が在宅死の思い入れが強い。医療・看護が主導権をとりやすいがん在宅死は導入しやすい
4) 佐久は、高度医療機関に在宅医(村医者)が入って診療している。またその逆もある。そのパイプが太いため、在宅に入りやすい。 ⇒病院の中に地域ケア科がある
 … 都会モデルは、在宅と病院とを切り離し分化させたがっているが、分化していないことが重要

…東京は、「主治医関係を断ち切ってでも家で死にたい」という脱出者を受け入れるものとして在宅の見取りが発達。それは、特殊な患者を扱っているわけであり、それでmassを議論することはできない。 

・病院医師が抱え込んでいる患者
・患者が病院医者にくっついている現状

それを打開しなければ。保険システムをつくるだけではだめ

●在宅医療は、患者本人のための医療。
家族のための医療ではない
介護をすべてやるのは家族だし、その不安・負担はとらなければいけない。けれどコアは患者であることをわすれてはいけない

…その準備は入院時から
「軽い」「帰れる」と伝えておかないといけない。
いまどきの流行は、防衛的に「重症」「死ぬかもしれない」、と伝える流れがある。が、入院したほうが家族は絶対に楽。その楽を知ってしまったら、なかなか帰れなくなる。

『家で死ぬのは行政の責任で、家族の責任ではない!』
家族を責めたら家に帰れなくなる

入院は患者の生命力を下げる

数日間だけ入院させて家に帰せるように

肺炎の重症度スコア。素直にやれば全員入院になる。
本人が「苦しいから入院したい」といわなければ入院しなくても大丈夫。

●高齢化
都会はやっと騒いでいる。
30年前から高齢化が進んでいた農村はカバーされていなかったから、医療が善意でカバーしてきていた。「都会の30年後がここにある」

●介護保険
なぜ民間主導にしたのか。

そもそも日本の医療は、「民間主導」
・国民皆保険
・自由開業
・フリーアクセス
だから、ひろく速くひろまった。
が、コントロールできなくもなった。(抜け道でもうけることが簡単)。公共ならコントロールできた。

で、そこで農村は… はじめから不利

長野県は民間医療がもともと少なかった。病院もうけなかった。
だから、医療費が少ない。
「在宅死が多いから長野県の医療費は安い」は間違えた結論。
行政的な「公(官)」ではなく、JA的な「公」が重要

●社協
地方はケアに民間が入る余地がない。だから、社協が入る。しかしこれは、役所と属性同じ。
高コスト、低クオリティ。 そもそも地方は頭脳が流出している。
役場に入れない縁故の就職先が社協。
ケアプランの建て直しが地方では重要。

●宅老所
大規模なデイサービスではない存在。家庭的・小規模。グループホーム。
1980年代、軍まで、家族が認知症老人を集めた場所があった。
 〜 みんな集まればBPSDでない
福岡の「宅老所よりあい」1996年 ブレイクした。
高山 高齢者高齢者だけでなくみんなこれる。

⇒残余能力を引き出す
介護保険引っかからない軽症を集める宅老所と、
引っかかる重症を集める宅老所の違いは? → ケアマネ

「ケアで認知症は治る!」

●医療は専門性高い → 供給が難しい
対して専門性が低い介護は、地域循環型になりうる。地域経済の活性化の仕掛けとなりうる

●ケア付き住宅
・サービスは外から導入
 特養などの施設はサービスは内部で循環
外から導入する仕組みだと、地域で資源を共有できる
また、収益を上げやすい在宅医療と並列で行うことで、維持しやすくする

●介護ですごいひとでも、看取りはできない

●「医療は医学の社会的適応である」 武見太郎
それによって、医者が権限を持つ形をつくった
対して、農村医学は「農村を豊かにする」

●出産がなぜ地域から引き剥がされたのか
助産師が経営できないようにした。
小児だってそう。少子化にあせった医師会・小児科が、「健康な児童からも管理寮を」と。「くいっぱぐれる」
保健師から健常な児童を引き剥がした

出産の集約化は死亡率が上がる。
在宅での出生は学びの場として重要

4/3

●本日の勤務時間

8時半〜18時

●今日行ったこと・見たこと・知ったこと
総合外来

●今日うまくいかなかったこと・失敗
上司とのディスカッション
基本的に自分に自信がなさ過ぎる。上司や専門医に何か言われると、それに無条件に従うように頭を作ってしまってもいる。きっちりその場で逆らいきることが肝腎。そうしないと、見えていないところで従わない、という状況になってしまう。もっとも、頭がそんなにはやく回らない…。

●今日できたこと・成功

●今の気持ち・今後学びたいこと・気づいたこと

漢方を嫌う人たちは、東洋医学診断しない、と言う。
そうではなくて、東洋医学的診断を理解する気がないひとたちにどう説明すればいいのかわからない状況がある。
しかし、心気症、としてリーゼがよく処方されるが、そのリーゼを封印した上でなければそのような批判をする資格はないはずなのだが…。

東洋医学を否定するひとたちに感じる気持ち悪さの一つが今日わかった。
現病歴や身体所見で鑑別をあげる技術が浅く、また検査所見の感度・特異度が完全ではないことへの認識が甘い。
また、一つのプロブレムから鑑別をあげて検討する訓練はよくされているが、多数あるプロブレムを同時平行で検討して、そのすべてを満たす原因を検討するという訓練が弱い。だから、特定の検査所見があるときに疾患を想起し「検査しなければいけない!」と指導が入るが、ほかの所見とどう合わないのか検討するステップに欠けることがある。
それらがあるため、検査の閾値が低く、また感度・特異度への認識が甘い。

入院時のルーチンの尿検査なども、頭使っていないんじゃないかと感じる。アメリカ医師が、入院時にルーチンで心電図をとる日本の診療をみて、「日本の医者は診察していないのか」ときいたという話がある。明らかな肺炎で入院したとき、高齢者で膿尿があったからといって腎盂腎炎と診断するのは思考力のなさの露呈でしかない。

仕事が多ければルーチンワークで思考停止したほうがらくだとは思うが、研修中は好きになれない。

しかし、ルーチンワークでひょいひょいと動く医者のほうが、スマートに周りからはみられるもの。
でも、やはりそんな医者にはなりたくない。

2009年04月02日

4/2

●本日の勤務時間
8時〜18時

●本日行ったこと・見たこと・知ったこと
午前: 訪問診療
午後: 訪問診療
夜 : コーラス部

●今日うまくいかなかったこと・失敗
やっぱり、がんばりすぎて失敗している気がする。ボスが骨はひろってくれる人だから安心できるけれど。仕組みを変えすぎないよう、丁寧に…

対して、訪問診療で患者さんとの距離感はいい気がする

●今の気持ち・今後学びたいこと・気づいたこと
訪問診療で、退役軍人の話を聞くのは面白い
「ここ出身だけれど、小学校は蒲田で、昭和21年4月27日に空襲にあって、…、開拓にはいって…」といった話など、リアリティあってすごい

いろいろ昔話を集めたい。

あと、ずっといきたかったコーラス部にやっといけた。今後も通いつめたい

2009年04月01日

4/1/2009

久しぶりに日々の記録を再開することにした。

●本日の勤務時間
8時半〜21時(24時?)

●本日行ったこと・見たこと・知ったこと
午前: 診療所外来初日 …ほとんどこなかった
午後: 往診 …往診は楽しい!!
夕方: 会議
夜 : ディスカッション …地域医療について

●今日うまくいかなかったこと・失敗
ちょっとがんばりすぎか? 空回りがみえる?

●今の気持ち・今後学びたいこと・気づいたこと
地域医療のいろいろな施設について