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2008年08月11日

耐性菌UpDate

耐性菌UpDate

耐性菌 初めて問題になったのは??
  → ペニシリナーゼ産生黄色ブドウ球菌
  → ペニシリンを創部感染に使用できなくなった!!
   → だから今、第一世代セフェム を使う…

●βラクタム系

MSSA
 ペニシリンは効かない
 ペニシリナーゼを基本的にもっているから
  …βラクタマーゼ阻害薬を使うことで効くようになる

MRSA
 ABPC/SBT 効かない
 PBPの変異があるから

PRSP
 SBT 効かない
 MIC>8 はまだ日本には少ないが…
 新しい定義のPRSPには高容量でもダメ
  6種類のPBPsがある

BLNAR β-lactamase-non-puroducing Ampicillin resistant
 H. influenze
 急性喉頭蓋炎 で成人も死ぬ

…市中肺炎にABPC/SBTである意義はあるのか?
 H.influenze
 BLNARいなければいいけれど…

…第三世代にすれば、PBPにつく場所がまた違うからOK

腸球菌 enterococcus
 VCM しか使えなくなることもある
 faeciumは生まれつきにβラクタムにある程度の耐性もっている
  セフェムは効かない
  vitroでは3〜4世代はきくけれど、vivoでは一切効かない

enterococcusに一切効かない禁忌は?
 オキサシリンなどペニシリナーゼ耐性の薬剤は一切効かない!


・βラクタマーゼ 陰性桿菌の耐性の基本

●アミノグリコシド

取り込み低下(緑膿菌)
  …GMが基本
   耐性あればTOBも
   最後にAMK に耐性に (時々逆転するが、あくまで例外)
  …全部RでGMのみSなアシネトバクター はまあしょうがないけれど
   あくまで非常事態。原則信用しない
修飾酵素(そのほかさまざまな細菌)

●キノロン
DNAgyrase変異 S.aureus とGNR
effuluxポンプ S.aureus の一部
修飾酵素 (E.coliの一部)


◎ 野良猫
市中緑膿菌感染は緑膿菌用抗菌薬、全部Sに

●マクロライド、クリンダマイシン、ストレプトグラミン
リボゾームの変異

●マクロライドのみ耐性
Efflux

→ CLDMはグラム陽性(黄色ブドウ球菌含む)によく効く
  保険適用 のMax 2400 世界容量!!
   どうしても治したいとき便利

  MRSA
   CLDM S で、CLDMで治しきれることある
  MRSE
   一部はCLDMでたたける
  GES 連鎖球菌
   CLDMで治療できるときとできないときがある

  場合によっては切り札!

●テトラサイクリン
ドキシサイクリン
ミノサイクリン
 …STI 梅毒、PID(クラミジア)

MRSA でS と出るときあり
 基本的には信用しないけれど…
 6週間IEで叩けないとき、邪道に、これ使うときも

 チゲサイクリン
  MRSA〜緑膿菌まできく

●ST トリメトプリム
 
 腸球菌には生まれつき効かない

●リファンピシン

●サルフォナミド

●クロラムフェニコール

小児科ではケースによってよく使う
肺炎球菌とかに広く効く。髄膜移行性いい
 ブドウ球菌には使えないけれど

●グリコペプタイド

●リネゾリド

けっこうすぐに耐性でてくるらしい

■一部のGNRは 生まれつきAmpC過剰産生

class A ペニシリナーゼ
     進化したらESBL… 原則ペネム!!
     これのクラスのみ、βラクタマーゼ阻害薬効く

C セファロスポリナーゼ
     進化すると広範囲に効かなくなる

B メタロβラクタマーゼ ≒カルバペネマーゼ
     …緑膿菌 周りの菌から耐性機構を受け取る
      一部は生まれつきペネム耐性 
       ステノトロフォマス マルトフィリア
        …基本はSTでなおす  他、キノロン
         亀田はもともとCPFX耐性だったり
         MINO はevidence少ないが OK
       バーくふぉーてらうすくらしあ…なんとか 

   D オキサシリナーゼ


■ MRSA

小児科でハベカシン使うのは…
 ホスミシンも…

 etcは明治製菓が小児科をターゲットに
 小児科はアミノグリコシド 使い慣れているから …ターゲットに

 アミノグリコシドはそもそもGPCには無力だから
 日本でしか使われない


緑膿菌に…
セフォペラゾン
  髄液にいかない、vitroで信用できない から、捨てた
  それをファイザーが拾った
  しかも、海外よりこれが少ない
  SBT アメリカですら、Max 2gにしろと言われる
 セフタジシムに勝ち目ない


・市中MRSA
 妙にβラクタム以外にはSが多い
 CLDMも使用できることもある
   …耐性を獲得した末、ではないから
  …逆にMSSAはCLDM使えなかったり

 Dテスト陰性だったらCLDMも使用可能
  …マクロライドのみに耐性か、どっちにも耐性か見分ける
   Dな形になるのは、陽性
   Oな形になるのは、陰性


・βラクタム耐性がでてきている日本では
 ペネムも信用できないことある
 だから、VCM + ペネム とエンピリックに使う


・クレブシエラ
ABPC βラクタマーゼ、いずれでてくる


腸球菌
 どんなときにターゲットにすべき???
 無菌のところからでてきたら、ターゲット
  血液・髄液

 尿からでてる のは 当たり前
  バルーン入っている高齢者で、臨床症状でていたら気にする

3年間の急性胆管炎
 血液培養は3割陽性 
 fecium 血液からでたのは2例
   よくなっていても怖いからVCMいれたり


・ハベカシン
MRSA叩こうとしたのは世界で明治製菓だけ
だから、evidenceない


MSSAに
 GM
 cell wall をCEZで抑えているときにはいるから、シナジー
 3日くらいつかう
 だからそもそもアミノグリコシドは使わない

ハベカシンはVCMより腎にダメージ大きい

・MRSA
 腸炎おこさない、としているが
 MRSE・MRSA がでたら小児では壊死性腸炎怖いから AMKつかう
 …のは ?

 でも、 全身の培養から出てきてたら、菌血症になっている可能性高い

「クレブシエラ腸炎」
アンピシリンつかったら、出血性腸炎で、便培養からがんがんでてくると。
でも、あるんじゃないかと言われてきている。動物実験で証明されてきている

「MRSA腸炎」
動物実験、限定条件下ではおこる
小腸に偽膜ができる 剖検で見つかっている

基本はCD腸炎だけれども。

嫌気性菌

嫌気性菌

臓器で菌決まる →抗菌薬決まる
 胃より下なら Bacteroides 。これを含むか含まないか
 横隔膜より上か下か
   上なら、 ペプトストレプトコッカス、フソバクテリウム
   下なら、 バクテロイデス

「嫌気性菌にCLDM」??

ポイント
●混合感染
●培養で出ないことあり
  酸素が混じることも
  技術的にも難しい
 →臨床診断。感染臓器はどこ???
  培養陰性でも、可能性のある病原体を叩く
  感受性検査も難しい… できないことあり
  グラム染色がひとつの手がかり
    培養ででなくてもでることも

検体ごとの感受性よりも、診断から予測される病原体の感受性傾向が大切

De-escalationを無理にすすめられない

   ◆ではどの抗生剤つかうの??

・ルーチンの血液培養は必要???
  岩田先生が書いていた

逆に、抗菌薬から嫌気性菌を考えてみる

・PCG
  口腔内嫌気性菌にはよく効く
  ペニシリナーゼ産生菌にはだめ
    …バクテロイデスとか
・セファロスポリン
  セファマイシンにくらべると弱い
  口腔内には効くかもしれないけれど… →ペニシリンと比べると、いみない
・セファマイシン
  セフメタゾール、セフォペラゾンなど、
  大腸癌の予防投与に好まれる
  バクテロイデスは、 5〜10%耐性を持っている
・CLDM
   オールマイティではない
  バクテロイデスは10〜20%耐性
  クロストリジウムには効かない
  骨移行性はいい
  膿瘍移行性がいいかもしれない(古川先生の経験から)
・なんでも効くやつ
  ペネム・βラクタマーゼ阻害薬との合剤
   …ただ、メタロβラクタマーゼ産生、だと、どっちも効かない…
  メトロニダゾール   …点滴がほしい
  クロラムフェニコール …副作用強いから使いにくい
   …ほとんど感受性があるのでどれも使える!!!!

 ポイント
  セファマイシン・クリンダマイシンは感受性が微妙(10%は効かない)


他のポイント

●脳膿瘍
口腔、鼻腔から直接いく
腸内細菌が血行性に飛ぶ

●肺膿瘍、肺化膿症
口腔内常在菌が落ち込む
腸内細菌の誤嚥も多い


抗菌薬が効かない嫌気性菌感染症はどうするか
・変更? 併用? (eg チエナム・CLDM
  まちがえている)
・高圧酸素??
  有効ではない

→ドレナージ! 薬では治らないと伝える


★ポイント
・感染臓器!!!!
・培養生えない!!!!
・CLDM 万能ではない
・ドレナージ


(おまけ)
セファマイシン
 基本は使わない

膠原病??

膠原病??

・膠原病で発熱といえば…
RA、血管炎、SLE をまず考える

・血管炎
ANCAよりbiopsy。ANCAは7割くらいの感度。
ウェゲナーには感度9割だけれど、日本には少ない

・強膜炎+顔面痙攣 →サルコイドーシスを

・強膜炎
薄くなって黒く抜ける

・顔面痙攣 チック?
→神経炎 Still

・紫斑
Biopsy

・Still

・結膜炎
シェーグレン??  シルマー


勉強メモ 8/11

・骨形成marker 血液
 オステオカルシン、骨型ALP

・エンブレル
癌5年以内は使えない

・DISH
全身性特発性骨増殖症

・Quanty feron
TB-Abとリンパ球を混ぜる…
ツ反のハンディとれる

・新生児ループス
デキサメサゾンの使用に躊躇なく

・DLE
ステロイドやタクロリムス外用
ホントは抗マラリア薬つかいたいのに…
安いし副作用ないし…
でも、薬害、とされて日本では使えなくなった

・梅毒血清反応
 「…なんか、ヒトの血と牛血まぜたら沈んだよ」

抗カルジオリピン抗体についても考える

半数は梅毒
1/4は一過性RB
1/4はPLT減少とか…

ふつうは血清・IgG分離するとどちらも沈降するが、
β2GP1がないと、血清では沈むがIgGでは沈まない

・ループスアンチコアグラント
これあると、血栓形成率高い

・ONH
骨髄への自己免疫
そのescapeでmutantふえる
→ステロイドでmutantおさえる
  …再生不良性貧血と同じ

・HCV
→10%がクリオグロブリン血症
 →10%が血管炎

・先端肥大症

サンドスタチン
下垂体・術前2週間投与し、PRLの減少をチェック

骨変形は手術しても戻らないのが問題…

コハク酸脱水底嘘
頚部pure ganglinoma かなり合併

・下垂体腺腫
負荷試験で卒中起こる可能性ある

尿路感染

尿路感染

JAMA 2002;287:2701-2710

現病歴が重要
検査後確率を上げる検査はない

 ワークアップはするけどね

グラム染色しなさい


S. saprophyticus
 性活動の活発な若い女性のUTI 起因菌になるブ菌

効果判定にグラム染色しよう
 効果判定に3日待てないなら

菌血症あるなら、14日間の静脈注射

なければ、
キノロン7日 > ST 14日

繰り返していたら、結石がジャマしていたら、21日間の治療

Moxifloxacine
 尿に移行しない

CAUTI 1日3%

膀胱炎治療は3日間


紫色の尿… Purple urine bag
 腸内細菌
 アルカリ尿で多い

急激なUro sepsis
 GNR は足が速い

810

●嚥下機能
 X線で動き確認、集中力、姿勢、筋緊張
 それらを総合して考える

●腹痛&下痢
 下痢症なら外科適応になることはまずない