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2009年01月17日

医学メモ インフルエンザ

インフルエンザ耐性
アマンタジンはもう使えない
タミフルは、日本では耐性は2008年の時点では2〜5%くらい

横浜の報告より
横浜市における2007/2008 シーズンのインフルエンザウイルス流行株の解析
横浜市衛生研究所検査月報

2009年01月16日

強化インスリン療法の効果は、よくわからない

●ACCORD study, NEJM 2008;358:2545-2559

HbA1c 目標7.0〜7.9 と 目標6.0未満を比べたら、後者の方が死亡率が高かった →試験を途中で中止

●ADVANCE study, NEJM 2008;358:2560-2572

標準 vs 6.5以下
→腎症の発生率が低下していた(HR 0.79)
 主要大血管・全死亡率 には明らかな差異はなかった

http://content.nejm.org/cgi/content/full/NEJMoa0802743


日本語の情報
http://rockymuku.sakura.ne.jp/naibunnpitunaika/ACCORD.pdf

2009年01月15日

抹消静脈カテーテルは必要時交換でも問題ない

Routine care of peripheral intravenous catheters versus clinically indicated replacement: randomised controlled trial
BMJ 2008;337:a339

755人の患者を二分割
 三日ごとのカテーテル交換 vs 臨床的適応時に交換

プライマリアウトカム 静脈炎、血管外漏出
 → 差がなかった
セカンダリアウトカム コスト
 → 臨床的適応時に交換するほうが、安い


cf CDC Guideline, MMWR 2002;51(RR10):1-36
では、末梢静脈カテーテルは72〜96時間おき、
中心静脈・動脈カテーテルは交換しない
こととなっている

090115 漢方

『補してシャす』

鍼灸のself medicationは、楽!


●防風通聖散
脂肪代謝を促進、下剤、食欲低下
「ダイエッターズハイ に入りやすい」

●防巳黄耆湯
余分な水を排泄促進、基礎代謝上げる

・保健指導
半年は食事・運動・ストレスのみで医療行為をしてはいけない。その後、スタチンなどいれてよい

●便秘

必ず 実

…(間でれず)

2) 柴胡カリュウコツボレイトウ
 肝気うっ滞

 柴胡  疎肝理気
 人参  益気健脾臓
 ハンゲ  理気止嘔 
 オウゴン 清熱
 
  (ここまでは小柴胡湯)
 ケイシ 暖めて他のクスリを助ける
 ブクリョウ 引薬下行
 大黄  (ツムラには入っていない)
 タイソウ、生姜 …調整に入っている

3)虚証

1.気虚
 気は推動作用 → 機能障害

特徴: でるはでるけれどすっきり出ない。残便感
   便柱が細い
   軟便(吸収が悪いから) なのにあんまりでない
 舌 淡、ハン大、苔薄、歯痕
  痩せてるか、脂肪太り

・脾気虚
脾の作用: 水穀の運化
 → 衰えれば消化吸収悪くなり、下痢

大腸の作用: ソウハク(糟粕)の作用
  → 衰えれば便秘に
 胃(受納、腐熟)の影響を受けている
 脾:
 腎(二便を司る)
 肺(表裏)

⇒ 六君子湯
 + 大黄甘草湯 (六君子湯のみではたりない)

 ●注意
   大黄は耐性ができやすい 長く使わないようにする
   大黄は標治剤で、根治薬ではない

   体質・証を治すことが大切


2.陽虚
気の温ク作用が衰えたもの
 腎(体の総元締め)虚を伴う

⇒ 八味地黄丸
 (大黄甘草湯をはじめ加えてもいい)

腹痛を伴えば
⇒桂枝加芍薬湯


3.血虚、陰虚
   物質的な不足が血虚

便が硬い、乾燥する
口渇あり、舌裂紋、苔少
爪が割れやすい

⇒麻子仁丸
麻子仁: 油分を含んでいて、腸を潤す(潤燥)
杏仁: 気を下に開く
 (cf 麻黄湯:麻黄(気を上に開く)・桂枝・杏仁(気を下に開く)・甘草)
芍薬: 補血
キ実・厚朴: 理気 …ただ、乾燥させる作用もある…
大黄

…ただ、乾燥させすぎてしまうこともある。大黄も長く使いたくない

本治のためには
⇒四物湯 + 理気剤(半夏厚朴湯など)

地黄: 補血(腎に入る)
白芍: 補血(肝に入る) 例:芍薬甘草湯(肝血が不足すると痙攣する)
当帰:  活血+補血
川キュウ: 活血 + 理気

半夏: 理気
厚朴: 理気
蘇葉: 理気
茯苓: 引薬下行
生姜:
 〜 吐き気止めで、腸まで引く力はない
 → 半夏をキ実に変更するのも手


●久病必オ

活血に主眼をおいた便秘薬
トウカクジョウキトウ 強烈だから
『乙字湯』

柴胡 : 升提作用(補中益気湯の要! 落ち込んだ気を持ち上げる)
升麻 : 升提作用 
黄ゴン: 清熱 (熱の痛みをとる)
大黄 : 清熱 シャ下
当帰 : 補血 活血 (痔は留まり)
甘草 : 潤燥

⇒痔核を伴う便秘
(下に脱出する気を持ち上げる)

 人参・黄耆を入れると、さらに持ち上がる


症例:
1)77歳男性、COPD。肺炎後、便秘悪化
⇒ カマ+ 三黄シャ心湯


2)39歳女性、父親は怒鳴り、母親は過干渉。3人姉妹で妹たちは結婚して他県にいる。男性との交際も親の反対でだめになる。ニキビと便秘に悩んでいる
⇒ サイコカリュウコツボレイトウ


3)37歳女性、乳癌術後、放射線治療後。倦怠感、四肢の冷えが主訴。ジュウゼンタイホトウ、補中益気湯、人参養栄湯、など人参だされると具合が悪くなる。顔色悪い、疲れやすい割りにぺらぺらしゃべる。痩せ型、舌暗赤、舌下静脈怒張

気血両虚、オ血、冷えあり
人参を入れないようにすると…
⇒ キュウキチョウケツヒン
もともと気にしていなかった便秘が治った。また、大黄は清熱作用が強いので冷やしすぎちゃう

4)69歳女性、高血圧、高脂血症、腰痛。下半身の冷えと頻尿あり。色白、肥満、舌淡、ハン大、舌苔薄白

⇒ 八味地黄丸
冷えよくなった。頻尿かわらない、それ以上に便通がよくなった!

081215 医学メモ

●痙攣・てんかん治療

基本は内服だが、
発作時は短時間作用のホリゾン

長く抑えるなら、
アレビアチン点滴
フェノバール筋肉注射
= クコビタール 座薬

●ビブリオ → 麻痺しやすい

●ポリープ
枝状に血管が広がっている
→エコーでチェックできる

●虫垂
 5mm大

●胃エコー
水を飲めば結構見える

●ガバペン
ターミナルケアで
痙攣などの神経障害性疼痛によく使われる
副作用に眠気がよく出る
 眠気でなければ増やしていけて、2000くらいから効果出てくる

●ノバミン
嘔気のコントロールにいい
ずっと使うとアカシジアに
モルヒネ使って1〜2週間で嘔気落ち着くので、減らしていくとよい

●疼痛コントロール
オキノーム 2.5mg
またはモルヒネ 3〜5mg
4時間おきに投与。5・6回目はひとまとめにしてもよい

または、ブロック


2009年01月06日

医学メモ 090105

●痙攣・てんかん治療

基本は内服だが、
発作時は短時間作用のホリゾン

長く抑えるなら、
アレビアチン点滴
フェノバール筋肉注射
= クコビタール 座薬

●ビブリオ → 麻痺しやすい

●ポリープ
枝状に血管が広がっている
→エコーでチェックできる

●虫垂
 5mm大

●胃エコー
水を飲めば結構見える

●ガバペン
ターミナルケアで
痙攣などの神経障害性疼痛によく使われる
副作用に眠気がよく出る
 眠気でなければ増やしていけて、2000くらいから効果出てくる

●ノバミン
嘔気のコントロールにいい
ずっと使うとアカシジアに
モルヒネ使って1〜2週間で嘔気落ち着くので、減らしていくとよい

Dr浅岡俊之の漢方 東洋医学の成り立ち・診察方法

Dr浅岡俊之の漢方 東洋医学の成り立ち・診察方法

「漢方」のことばの由来
 … オランダからきた「蘭方」とそれまでの中国から来た医学を「漢方」と区別した

漢方の工夫
 身の回りの天然物を少しずつ体で確かめた
 生薬 …修治による工夫
 ブレンドによる工夫  …全て経験則

生薬の分類
 上 生命を育む 〜生まれてからずっと口にしても副作用はない物 例: 人参
 中 時に副作用あり
 下 作用は強いが副作用あり

ブレンドの妙
・(麻黄湯)マオウ + ケイシ → 発汗
・(マキョウカンセキトウ)マオウ + 石膏 → 止汗
・マオウ + ケイシ + 石膏 → 大量に発汗

●ケイシトウ (風邪引いて頭が痛いとき 表寒証)
 と 桂枝加芍薬湯 (おなかが痛いとき 裏寒証)

なのに、入っている生薬はまったく同じ

●攻守
攻め  … 大柴胡湯 など
攻めと守り … 小柴胡湯 など
守り  … 補中益気湯 など

●診察
望 …体格、舌、皮膚、態度
聞 …咳漱、喘鳴、声
問 …経過、症状、便通、食欲
切 …腹診、脈診

●舌
・裏熱 苔が厚い
 → 柴胡剤

・地図状舌
 男性で、元気がないひとに多い
 脾臓の低下、気虚 →六君子湯
  はげているところが1ヶ月くらいでほどけてくる

・裂紋
 「攻めてはだめ!」 補う薬を…
 急激にがたがきたひとはよくなる
 補中益気湯とかつかうと埋まってくる

・燥、紅 「とても乾いている!」
脱水を潤す
白虎人参湯 はこれを急速に治してくれる

・風邪をひいても、白から紅までたくさんの舌がある

● 腹
腹直筋の緊張 →芍薬
胸脇苦満 → 柴胡
 … 両方あったら → 四逆散

http://www.asaoka.org/

Dr浅岡俊之の漢方 東洋医学の考え方

Dr浅岡俊之の漢方 東洋医学の考え方

●漢方が何故難しいのか?
ほとんどの医師は基礎がないから
東洋医学の論理(ソフト)が必要

●東洋医学の特徴

・必要なポイント
漢方の視点
 ハード(コンピューター、薬)が違えばソフト(OS、論理)が違う

・西洋医学
パーツに分析 →診断「病名」
パーツの治療を積み重ねる

・東洋医学
全体を診る →診断「証」 …状態 例「悪寒→咳→下痢 → etc」
その状態をbest(中庸)に持っていこうと治療する

例:肝炎

西洋医学: HAV、HBV、HCV、etc
 …一昔前、肝炎全てに小柴胡湯をしたり、西洋医学ではやってしまう
  responder と nonresponder がいる。
  そして3万件に1件の間質性肺炎があったからと、
  「小柴胡湯は間質性肺炎の原因となる」としてしまったりする

●東洋医学・漢方薬は、 「てこ」ではなく「ベクトル」
   必要なのは診断名 ではなく 病態・状態・病期を見抜く

東洋医学は個体差を考える
西洋医学は画一的な投与方法で確率論で勝負

東洋医学は 全てを見抜いて単剤で勝負
  (病期・病態、病期の進行・軽快にあわせて変える)
西洋医学は 症状を分析して症状を抑える薬を

●関節痛
熱 → エッピカジュツトウ
寒 → ケイシカジュツブトウ

●下痢
熱 → サイレイトウ
寒 → 真武湯

●陽
老人性ソウヨウ症
 湿り気が足りなくなって痒くなる → 陰虚

小柴胡湯
 裏熱 虚証 に効果ある

●同病異治
・16歳女性  小児期よりアトピー性皮膚炎、華奢で皮膚は乾燥し、四肢に冷えあり。ストレスで下痢をしやすい
「寒虚燥症、脾虚」
 → 「オウギケンチュウトウ」

・32歳男性 熱感と赤みの強いアトピー性皮膚炎。浸出液も多い。がっちり体型で冷たいものをよく飲む
「熱実湿症」
 → 「オウレンゲドクトウ」

●異病同治
・23歳女性、色白で華奢な体格。月経不順と月経痛が主訴。下腹部に圧痛。時にむくみと冷え
「寒虚湿証 オ血」

・56歳女性 若い頃から冷え性と肩こりに悩んでいる。舌は厚く歯痕あり、時にめまい。体力はあまりない
「寒虚湿証 オ血」
→ 当帰芍薬散

●気血水
【気】
・気の上衝、気逆

イライラ、怒りっぽい、冷えのぼせ
動悸発作、臍の動悸、発作性の嘔吐(嘔気なし)

 → 上に上った気を下げてやる

・気鬱
 〜憂鬱になると心窩部が重くなったりする

喉の閉塞感(実は、ひどいストレスに晒されるとよくなる)、鬱傾向、情緒不安
心窩ヒコウ、胸腹部膨満感


・気虚
 〜大病の後に気力が消えてしまう

脱力、気力でない、食欲でない、下痢、弱脈、風邪ひきやすい
声に力出ない、日中の眠気、

【血】
・お血
 〜血のめぐりが悪い

生殖器で巡らなくて下腹部が痛くなったり
頭で巡らなくなって頭痛くなったり

目の下に隈があったり、
唇の周りが紫色だったり
紅斑・紫斑できやすかったり
痔、生理痛、冷え、下腹部が痛い、
頭痛、のぼせ、

・血虚
 〜血による栄養補給不足
  「隅々まで栄養がいきわたっていない状態」

集中力低下、脱毛、眼精疲労、皮膚の乾燥、つやがない
爪のヒハク化、指先のあかぎれ、生理異常

典型: 長年人工透析を受けている患者さん
 独特のくすんだ皮膚の色

 『貧血 ≒ 血虚』

【水】
・水毒
 〜水の偏在
   上下、表裏、全身 など

例: 「二日酔いの朝」
 …顔や手がぱんぱんにむくんでいるが、喉が渇く
  「サードスペースに水がたまっているが血管内脱水」
→あまっているところから少ないところに導いてやればいい
 → ゴレイサン

滲出性中耳炎、めまい、歯痕舌、腹部振水音、下痢の傾向、排尿異常、むくみ、関節水腫